◇ 新刊のご案内 - 『アート・ヒステリー なんでもかんでもアートな国・ニッポン』 - Ohnoblog 2
★オビ・表側文面
「何なの? これ」「アート」
「え、こんなことやっていいの?」
「うん、だって、アートだから」『アーティスト症候群』から4年、
「アート」の名の下にすべてが曖昧に受容される現在を、
根底から見つめ、その欲望を洗い出す。
★カバー見返し文面
アートは”希望”の灯火ではない。
人々を結ぶ”絆”でもない。「アート=普遍的に良いもの」ですか? そこから疑ってみませんか?
アートがわからなくても、それは当たり前。
民主主義の太陽が生んだ「自由」と「個性」を掲げる美術教育と、
資本主義の雨がもたらした増殖、拡大し続けるアートワールド、
それらを通して、アートと私たちの関係を読み解いていきます。
★オビ・裏側文面
こんな人に読んでほしい!
1. 互いの作品を批判せずなんとなく褒め合っているガラスのハートの美大生。
2. 「個性と創造性が重要」と「図工って何の役に立つの?」の間で困っている先生たち。
3. 「アートは希望」「今こそアートの力が必要とされている」と訴えたい業界回りの人。
4.「普通」を選んでいるにも関わらず「ちょっと謎めきたい願望」を抱く社会人。
★目次
はじめに──アート島から漕ぎ出して第一章 アートがわからなくても当たり前
1.ピカソって本当にいいですか?
「ピカソ的」なるもの/みんな大好き印象派
絵を愛で平和に癒される/占領された絵画
2.疎外される「わからない人」
わからない人の気持ち/わからない人は言葉を求める
「なぜ、これがアートなの?」の限界
3.アートの受容格差
知と欲望のヒエラルキー/「他者の欲望」の結晶化
ブルジョア、インテリ、大衆/芸術資本格差
4.「美術」はどこから来たのか
芸術の恩恵とは/西洋絵画と日本的空間
インストールされた美術
第二章 図工の時間は楽しかったですか?
1.芸術という「糸巻き」
母なるものとの分離と傷/「自然の本性」主義の美術教育
2.日本の美術教育
実用主義のお手本教育 - 明治期
自由画運動と子ども文化 - 大正〜昭和戦前
活発化する民間の運動 - 昭和戦後
心情主義の隘路 - 平成
3.夢見る大人と現実的な子ども
図工はどのように役に立つの?/なぜ絵の描き方を教えてくれなかったの?
先生の負担、親の願望
4.問い直される理想
「自由」と「個性」の変質/承認を求める若者たち
方法論主義vs創造主義/「去勢」を経て残るもの第三章 アートは底の抜けた器
1.液状化するアート
インテリア・アートというジャンル - ヒロ・ヤマガタとラッセンその1
最大多数の最大幸福 - ヒロ・ヤマガタとラッセンその2
バンクシーになりたかった男/アウトサイドはインサイドにある
2.空想と現実の距離
「普通」からの反発/ナルシシズム市場の広がり
自意識の牢獄と菊千代の闘い
3.村上隆の「父殺し」
「セルフ・オリエンタリズム」アーティスト
闘争のゆくえ
4.アートの終わるところ
「問題」を「問題」とするアート/太陽と「母」
アートへの欲望/他者との出会いと出会い損ないおわりに
http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20120924/p1
※過去の「アーティスト症候群」関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%A5%A2%A1%BC%A5%C6%A5%A3%A5%B9%A5%C8%BE%C9%B8%F5%B7%B2
>>>2008年3月9日放送「自分探し」 - 文化系トークラジオ Life
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20080401#p5
>>>2008年4月27日放送「表現する人・したい人〜一億総クリエイター時代?」 - 文化系トークラジオ Life
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20080910#p3