Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui http://www.nobuhiro-fukui.com/

メモ

アントニオ・ネグリマイケル・ハート著『〈帝国〉』 遅ればせながら「21世紀の『共産党宣言』」を論ずる書評──八束はじめ - 10+1 web site|テンプラスワン・ウェブサイト|

この本に関しては歴史的にも地理的にもまた分野的にもあまりに広範な内容が扱われており、そこがまた受けているようでもあるが、それはまた記述に折衷的、要約的な弱さを与えている。例えば、上に書いたように、公共空間の変容としてマイク・デイヴィスの『要塞都市LA』(村山敏勝+日比野啓訳、青土社、2001)に言及してはいるが、デイヴィスの分析は興味深いとしても、資本のグローバル化が都市やその公共領域に引き起こしている変容については、この例示だけではあまりに少ない。例えば、私も出席したワイマールバウハウスでの「グローバリズム」をめぐるシンポジウム──ほかにはフレデリック・ジェームソンやサスキア・サッセンも出席していた──のプレゼンテーターの一人であるインドのラヴィ・スンダラム(ニューデリーの「先進社会研究センター」)は、インドが極めて発達した情報社会であること(これはいまやよく知られている)に言及しながら、しかし、そのパソコンの売買の大部分は伝統的なバザールで行なわれるアンダーグラウンド(といっても大っぴらにお天道様の下で行なわれているわけだが)の取り引きによっているという。それはLAの要塞化(陰湿な合法性)とは対照的なグローバリズムの形(陽気な非合法)であるが、極めて面白い。かくて、差異はおそらく無限に展開しうる。もちろん本書では均質化の進行が叙述されているわけではないが、差異を強調するなら諸相を広く具体的に語らない限り表面的な指摘に留まるのはやむをえない。この膨大なテクストが全部ネットでアクセス可能になっている(英語版に関してだけだが)という情報社会的なあり方にも関わらず、ここで述べられている情報化を通したグローバリゼーションの説明は、もはや大衆啓蒙書は飽いた私には大いにもの足らない。

http://10plus1.jp/review/monthly/index0310.html


◇ ISBN 4-7531-0224-6 - 以文社

アントニオ・ネグリマイケル・ハート
水嶋一憲・酒井隆史・浜邦彦・吉田俊実 訳
〈帝国〉
 ── グローバル化の世界秩序と
 ─── マルチチュードの可能性
2003年刊
A5判 上製 592頁
定価:5,880円(本体価格5,600円+税5%)
ISBN 4-7531-0224-6

http://www.ibunsha.co.jp/books/0224/0224.html

目次



第一部 現在性の政治的構成
 1-1 世界秩序
 1-2 生政治的生産
 1-3 〈帝国〉内部のオルタナティヴ


第二部 主権の移行
 2-1 二つのヨーロッパ、二つの近代性
 2-2 国民国家の主権
 2-3 植民地的主権の弁証法
 2-4 移行の徴候
 2-5 ネットワーク的権力 ── 合衆国の主権と新しい〈帝国〉
 2-6〈帝国〉の主権
 間奏曲 対抗 ─ 〈帝国〉


第三部 生産の移行
 3-1 帝国主義の諸限界
 3-2 規律的統治性
 3-3 抵抗、危機、変革
 3-4 ポストモダン化、または生産の情報化
 3-5 混合政体
 3-6 資本主義的主権、またはグローバルな管理社会を行政管理すること


第四部 〈帝国〉の衰退と没落
 4-1 潜在性
 4-2 生成と腐敗
 4-3 〈帝国〉に抗するマルチチュード

http://www.ibunsha.co.jp/books/0224/0224cont.html


◇ Empire (book) - Wikipedia, the free encyclopedia

Empire is a book by post-Marxist philosophers Antonio Negri and Michael Hardt. Written in the mid-1990s, it was published in 2000 and quickly sold beyond its expectations as an academic work.

http://j.mp/XqN7x0