Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui http://www.nobuhiro-fukui.com/

「世界写真全集 月報9」(集英社 1984年)所収「小久保彰氏にインタビュー」より*1

“1967年からニューヨークにいて、写真はずーっと見てきたわけですが、本当に写真がおもしろくなったなと思うのは70年代の終わりから80年代に入ってから”“注目している作家はというと、サンディ・スコグランド、ウィリアム・ウェグマン、バーバラ・カステン、シンディ・シャーマンといった作家たち、いわゆるコンストラクションとかコンストラクテッドとか呼ばれる(略)写真”“写真史の中でも写真が非常におもしろい時期だと思いますね”“もう写真っていわない方がいいって感じがするくらい”“既成の作家は反対するっていうか、拒絶反応を起こしてしまう。それは自分の従来の写真という概念とは全然違うもんだから、こんなもの写真に撮ったら困るというようなのが非常に多いわけですね”“写真の発表の場ですが、アメリカの場合は完全にギャラリー・システムで、ギャラリーとかミュージアムで発表していくのが主軸となっていますが、日本だと写真雑誌が中心ですね。日本でも写真の美術館ができるということですが、さらに写真ギャラリーができて、コンテンポラリーとかニューウェイブが…と、おそらくこれから3年ぐらいの間に、そういう動きが出てくるんじゃないか”“まあ、5年かかるかな”“最近は写真とアートを区別できないようなことになってきましたね”“昔は、写真というと非常に複雑な操作をしないとできなかったし、プロフェッショナルな技術というのが必要だったわけだけど、いまは非常におもしろい発想だとか考え方を持っていて写真を撮ると、すごくおもしろい写真ができることってありますよね”“先ほども、日本に行くとガッカリするとかいう話が出ましたが(略)日本でも写真展とかすごくあるけれど、どこへ行っても作家の名前は違うけれど、それほど違った個性的な作品というのは並んでないんですね。これは日本の写真だけじゃなく、現代美術でも何でもそうだけど、外国から新しいものが入ってくると、それが刺激になって活気が出てくる”“やっぱり日本は島国で、集団で生活して(略)お互いに作品を見るということは、自分と一人一人との違いということじゃなくて、一種の共同体の中で、お互い連帯感というか、そういうものに対して、確認みたいなものがあるわけです。非常に集団志向なんじゃないかなと思うんです”“アメリカの写真を見ていると、非常にみんな個性的で、少しでも似たところがあると認められないというところがあります”“この写真はだれだれと全く同じだとか、ほかのものをまねしているとか、そういう文句もすぐ出ますね”“だからみんなが努力しているのは、いかにして個性的な自分をということですね”“自分のやっている仕事というのは、わかってもらえないんじゃないかということから出発して、コミュニケーションというものは、自分と他人とは全然成立しなくて、これから始めなきゃならないという物の考え方ね”