Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館 - ART iT アートイット:日英バイリンガルの現代アート情報ポータルサイト

2014年5月29日、国際交流基金は来年開催する第56回ヴェネツィアビエンナーレの日本館キュレーターに中野仁詞(神奈川芸術文化財学芸員)、出品作家に塩田千春を選出した。中野より発表された展示テーマは「掌の鍵[―The Key in the Hand―]」。

ドレス、靴、旅行鞄など人の痕跡や記憶を内包する素材を用いた作品、そして、展示空間に糸を張り巡らせる大規模なインスタレーションで知られる塩田千春。今回日本館に展示する「掌の鍵」は、建物2階にあたる展示室と1階の野外ピロティを使用したインスタレーションとなる。展示室を埋め尽くす天井から垂れた赤い糸の先には、総数は5万個にも及ぶ鍵が結ばれたインスタレーションが展開する予定。鍵もまた、人の痕跡や記憶を蓄える日用品であり、塩田はそれを真心を伝達する媒体として捉える。そして、夥しい糸が吊り下げられた空間に配置される2艘の舟は天から注ぐ数多の鍵=記憶の雨を受け止める両手を象徴する。ピロティには大型のボックスが設置され、鍵を載せた子どもの掌の写真作品、生まれる前と生まれた直後の記憶を語る幼児の映像を上映する。観客が展示室とピロティで、ふたつの位相の記憶を体感し、作品の放つ声に耳をすませ、自らに内在する記憶を拾い上げ、記憶を紡ぎ、記憶を自分のなかにとどめ、そしてそれを他者へと繋いで行くような空間の創出を目指す。

http://www.art-it.asia/u/admin_ed_news/9trJXmOKS8NRdnkY0fz3/


◇ 第56回 ヴェネチア・ビエンナーレ 国際美術展 (2015) - 国際交流基金

国際交流基金は、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館キュレーター選出のため、指名コンペティションを行いました。最終的に5名の候補者の方にご参加いただき、国際展事業委員会(当基金の諮問委員会)において審査を行った結果、このたび塩田千春氏の個展を提案した中野仁詞氏がキュレーターに選出されましたので、お知らせします。選考の経過等は別添資料をご参照下さい。

http://www.jpf.go.jp/venezia-biennale/art/j/56/compe_r.html


◎ 第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館 塩田千春《掌の鍵》
http://2015.veneziabiennale-japanpavilion.jp/