Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

「まるでゲーム」、ジョイスティックが変えた米軍のアフガン前線 - AFPBB News

【10月10日 AFP】彼らは、ジョイスティックを使って兵器を動かし敵の戦闘員らを排除する――そして基地へ戻ると、米マイクロソフトMicrosoft)のXbox 360を起動し、ゲームの中の敵を倒す。

 アフガニスタンに駐留する米軍兵士のすることは、軍務中も、非番のときも、驚くほど変わらない。21歳の特技兵、タイラー・サンダスキー(Tyler Sandusky)はそう証言する。

■遠隔兵器、「敵を倒すと赤い霧」

 岩がちなアフガニスタン北東部で、サンダスキー特技兵が受け持つ任務は、昼夜を問わず遠方の標的を見つけ出すことだ。使うのは、巨大な装甲車に搭載置された高精細のビデオスクリーン。「CROWS(Common Remotely Operated Weapon Station)」と呼ばれる兵器遠隔操作システムだ。

「(画面を通して)人々を眺めているのは、かなり楽しい。すごく遠くにいるから、彼らは監視されていることに気づかないんだ。1人で操縦しているときなんか、まるでゲームみたいだよ」と、サンダスキー特技兵は実演してみせながら話した。

 スクリーンと座席右側にあるジョイスティックを使って、装甲車上部の射程6.7キロメートル超、50口径の機関銃を操作する。「敵を倒すと、赤色の霧が見えるんだ」

 だが、兵士たちの生活が快適になった一方で、テクノロジーによる兵器の発展には、倫理的な懸念も高まっている。

「敵の非人間化だ」と、ショーン・マッケイブ(Sean McCabe)特技兵(22)は言った。「ぼくらはテレビゲーム世代。だからCROWSをゲームのようにみなすのは簡単さ」

 米海軍兵学校で哲学を教えるディーンピーター・ベイカー(Deane-Peter Baker)教授は、CROWSとテレビゲームの類似は偶然ではないと指摘する。メーカーが意図的に、若い兵士たちになじみのあるXboxプレイステーションPlayStation)の操作性に似せて設計しているというのだ。

 同じくテクノロジーを駆使した兵器で今、最も議論が活発なのは、無人機だ。米バラク・オバマBarack Obama)政権が、アフガニスタンパキスタンでの国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やタリバン(Taliban)との戦いで使用を劇的に増加させた。米シンクタンク「ニュー・アメリカ・ファウンデーション(New America Foundation)」によれば、2004年以降にパキスタンでは無人機による攻撃で1667人〜2614人が死亡し、うち20%は民間人だという。

http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2833855/7897921