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◇ ライティング・マシーン─ウィリアム・S・バロウズ - INSCRIPT
ライティング・マシーン=バロウズ誕生前夜の南米旅行に焦点を合わせ、初期作品『ジャンキー』『クィア』と当時の書簡の厳密な読解を軸に、自己の喪失と発見の過程を辿りながら、バロウズの作家としての出発点が南米とヤヘ体験にあったことを示して、『裸のランチ』に至る作家的自立の過程を跡づける。50年代バロウズを誰よりも厳密に読み込み、そのテクストと人生に触れんばかりに接近することで、他者を渇望するバロウズの魂についに共振する斬新鮮烈なライフワーク。バロウズを〈南〉から新たに発見する鮮烈な評論は、まちがいなくこれからのバロウズ読解の指標となるものである。