Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

Web写真界隈トークイベントの雑感など

会場に置いてあった内原恭彦さんの私家版写真集『Son of a BIT』を
実際に見ることができたのが最大の収穫でした。
ひさびさに写真集を見てワクワクしました。
この写真集を見れば、内原さんのことをあまり評価したがらない人も、
おそらくは内原さんを評価せざるをえないのではないでしょうか。
内原さん本人の望むかたちでの刊行が、
どこかの出版社で実現すると良いのですが。。。
http://d.hatena.ne.jp/uzi/00000000


山田大輔さんが語った「写真の終わり」ですが、
2008年に「終わる」かどうかはさておき、
技術の絶えざる進歩と社会情勢の変化によって
写真が変わっていかざるをえないということは、
動かざる事実だと思います。
写真オペレーター(技師)としてのカメラマンや
いわゆるフォトグラファーといった方々にとっては、
大変な時代になってくるかもしれません。
しかし、写真が「終わ」ったところで、変わったところで、
表現の一手段として写真(映像)に取り組んでいる人、
つまりはアーティストにとって、それは、
さざ波といった程度の影響しかないのではないでしょうか。
要は、技術の進歩によってワリを食うのは
いつの時代も技師や職人であって、
芸術家ではないということだと思います。


キヤノン写真新世紀についての話は、
写真新世紀ひとつぼ展といった公募展に
応募した経験がないこともあって、
その舞台裏など興味深い話が満載でした。
写真新世紀を裏方として支えてきた
キヤノンの高橋淳子さんの人柄にも好感が持てました。
質疑応答時の会場の流れによっては、
ややキツめの質問をぶつけてみようとも思っていたのですが、
タイミングを失って、とくに発言せずじまいでした。
写真で食う食えないの話が出てきたあたりで、
数年前、青山ブックセンター本店に見に行った
雑誌「重力」の発刊記念シンポジウム(鎌田哲哉松本圭二大杉重男
浅田彰福田和也大塚英志)を思い出しました。
が、Web写真界隈トークイベントにおいては、
何だか小さな議論に終始してしまった感がありました。
頼母子講で協力して、数人で順番に個展を開くという話は、
自主ギャラリーを作ることに比べてハードルが低そうですし、
とても現実味のある手段だと思いました。


追記:カンタケ氏を初めて見た。写真に撮りたいと思わせる人物だった。
   居酒屋で飲んだお湯割り用のお湯のストレートが、何故かおいしかった。
   「ウラ写真新世紀」や「横浜写真会議」のことが少し頭をかすめた。