Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

hatenoさんの9月1日の日記より

“写真を教わるなどということはまったく経験がないが、教育現場で行われている
のは「写真を読む」という態度で写真を理解し処理するためのコード体系の伝授
と、個別の写真をそのコード体系に位置づける訓練なのだろうか。展示の会場で
折にふれ聞こえてくるのは、二頭の犬が互いの後をぐるぐるまわっているように、
どのコード体系の流派に属しているのかを相互確認しあう様子である。場の空気、
その場とは対面する相手との関係だったりどこかにあるだろうジャンルの村だっ
たりするのだろうが、そうしたさまざまな階層の場の空気を巧みに読みながら解
釈のルールをそのつどすりあわせているのだろう。”
http://d.hatena.ne.jp/hateno/20060901

永瀬恭一さんのpaint/note(8月30日の日記)より

“「効果的な絵」あるいは「趣味的に正しい」絵というものを、ここではまとめ
て「正確な絵」と呼ぶが、僕がこのような「正確な絵」に疑問を持つのは、この
「正確な絵」というのは、意識的だろうが無意識的だろうが、かならず「その正
確さを共有できる仲間」を想定してしまうからだ。その仲間が多いか少ないかと
いう政治がほとんど「正確な絵」の目指す最終地点で、そんな囲い込みは巧妙化
して、「仲間が少ないから正しい」とかいう地点にまでいってしまう。仲間とい
うのは、仲間になってしまった段階でその多少は関係がない。そうではない「良
い絵」においては、そのような仲間は成り立たないと思う。単純に言って、「良
い絵」においては、自分が一度「良い」と判断しても、時間を置いて再度見た時
に「前回とまったく等しく良い」という保証はどこにもない。ここでは、過去の
自分と、再見した時の自分すら「仲間」ではなく、むしろ対立したり無関係にな
りかねない「他人」になる。”
http://d.hatena.ne.jp/eyck/20060830

山田脩二作品展「山田脩二 写真の軌跡」@JCIIフォトサロン

http://www.jcii-cameramuseum.jp/photosalon/photo-exhibition/2006/20060829.html
9月24日(日)まで開催中。去年12月に、渋谷のGallery LE DECOで開催された
山田脩二×内藤まろ「日本村ネクスト・次も日本人になりたいですか。」を
見逃しているので、今回はなんとか見ておきたいところです。

森下大輔写真展「倍音の虹」@コニカミノルタプラザ

日展示初日。13日(水)まで開催。
きょう気付いたんですが、コニカミノルタプラザのサイトが
リニューアルされたようです。
http://konicaminolta.jp/about/plaza/schedule/2006september/gallery_b_060905.html
http://konicaminolta.jp/about/plaza/index.html


◇ Morishita Daisuke Homepage
http://www.geocities.jp/morisita_daisuke/

プライムオブジェクト─歴史を通り抜ける事物たちの思考

岡崎乾二郎+中谷礼仁+松浦寿夫+岡田温司+田中純+浅田彰+郡司ペギオ幸夫
9月19日(火)・20日(水)  18:00−21:00(17:30開場)
http://artstudium.org/2006/session/

近畿大学国際人文科学研究所、
四谷アート・ステュディウム公開批評セッションの第一回として、
『プライムオブジェクト――歴史を通り抜ける事物たちの思考』を開催します。
プライムオブジェクトとは、この秋に待望の翻訳刊行が予定されている美術史家ジョージ・クブラーの『時のかたち』(George Kubler, "The Shape of Time", 1962)
の基本概念です。
クブラーは、人間の制作した事物がそれぞれ規範として自律した体系を組織していくという、その独特の思想によって、一元的に閉塞した美術史および文化論の枠組みを大きく乗り超える道を開きました。しかしクブラーの思想が正確に受け継がれてきたとは必ずしもいえません。むしろ20世紀後半から21世紀にかけて、文化はますます一元化へと加速しつつあると見なされ、批評もそれに伴走し無力化していると言われています。
しかし事物の生産過程は決して一元化されることはない。
クブラーにはこうした徹底した技術的な視点がありました。事物の生産を司るのは、事物それ自体である。事物はそれぞれが一つの法である。批評の可能性は、このさまざまにあり得る生産過程に立ち返ることで確実に取り戻されるはずです。
G.クブラー『時のかたち』とほぼ同時期に出版されたE.H.ゴンブリッチ『芸術と幻影』、C.グリンバーグ『芸術と文化』、トーマス・クーン『科学革命の構造』、レヴィ・ストロース『野生の思考』などと共に再読し、今日の批評的膠着をもたらしたパラダイムを解体し、多数性へと再構築を試みるセッション。

仕事のため聴講不能
当日の模様をウェブや『artictoc』などで再録してほしいものです。
http://artictoc.com/


(参考)
メンツのかぶる対談が掲載されている
季刊『InterCommunication』(No.58,autumn 2006)
http://www.nttpub.co.jp/ic/ic001.php


古谷利裕さんの偽日記06/09/01と06/09/02も参考にどうぞ
http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/nisenikki.html