松本俊夫のことば
いつだったか本紙で、佐野美津男が、映画批評家がだめなのは商業主義と妥協しているからだと書いていたが、私にいわせれば、妥協するもなにも、彼らにははじめから批評力などないのではないかと思うのだ。佐野のもちあげていた斎藤龍鳳も、他のジャンルではとうてい通用しないくらいひどいものである。
私はことあるごとに、芸術は表現(この場合映像)・意識・現実の、この三つの緊張関係を、どれひとつ欠いても成り立たないといいい、意識と存在条件が深くクロスする部分を、表現(映像)の模索にどれだけ批評的に対象化しえたかということにのみ、芸術の思想はあるのだということをいってきた。
芸術音痴といってしまえばそれまでだが、要するに「感覚世界の変革」ということの意味を、人間の人間的変革の歴史のなかに正しく位置づけてとらえることができず、したがってまた感覚世界の変革ということを大きくふくむ表現の変革ということを、現実意識の変革の問題としてとらえることもできないのである。とかく政治家くずれの批評家にはイメージの意味を思想的に追求する表現論がないが、彼らはしょせん映画「芸術」などどうでもいいのであって、映画批評ということも、けっきょく彼らの政治的アジテーションの道具でしかないのだ。
「政治主義復活批判」(「読書新聞」1963年12月)より
『表現の世界──芸術前衛たちとその思想』所収
http://www.amazon.co.jp/dp/4860291824
◇ 松本俊夫 インタビュー
http://www.mokohan.com/matsumoto.html
http://www.bunka-kaigi.com/002special/003/
http://hive.ntticc.or.jp/contents/interview/matsumoto/
◇ 松本俊夫実験映像集 DVD-BOX
http://www.amazon.co.jp/dp/B0009JCW44
http://www.uplink.co.jp/webshop/log/000523.php
http://www.caina.jp/commodity_detail/20374290/
◇ 松本俊夫全劇映画 DVD-BOX
http://www.amazon.co.jp/dp/B000185CUE
蒙古斑革命
http://mokohan.com/
灰野敬二、UA、伊東篤宏、生西康典&掛川康典、
EXONEMOといった方々のインタビューが掲載されています。
2005年11月のメモ(mixi)より
人生は飾り窓の外を流れてゆく。ぼくは明るい電光に照らされたハムのように横たわり、斧のふりおろされるのを待っている。実際のところ、何も恐れることはなかった、すべてが薄く切られ、セロファンに包まれていたからだ。とつぜん全市の明かりがいっせいに消え、警報が鳴りひびく。全市は毒ガスに包まれ、爆弾が炸裂し、ばらばらになった人体が飛び散る。
(講談社文芸文庫『南回帰線』ヘンリー・ミラー/河野一郎訳)
僕らには待つことだけしか許されないのだろうか。
待ちたくないと叫びつつも、ほんとうはどこかで
待つことを望んでいるのではないだろうか。
……──じゃあ言うが、ほんとに、いくら引っぱろうが、揺さぶろうがだめなんだな……どうしようもない……なにも伝わってこない。どんな電流も。こんなものはできるだけ早く厄介払いすべきだ。犬にでも投げてやって──ああ、犬にでも……しかし、ほんの少しだけ眺めさせてほしい、ここの、ほら、この線、うねりくねるこのセンテンス、すーっと落ちるその結び……ぼくはこれをほんとに大事に育てたんだ、手塩にかけたんだ……
(白水社刊『生と死の間』ナタリー・サロート/平岡篤頼訳)
いくら強弁しても、どうにもならないことはあるでしょう。
もういちど、そこに至る過程を辿り直してみる
そんな時間をつくるのも無駄にはならないでしょう。
(10)浴槽の縁に腰掛けて、エドモンドソンに、二十七にもなって、そのうち二十九にもなろうというのに、浴槽の中に閉じこもりがちの暮らしだなんて、あんまり健康とは言えないな、と話した。目を伏せて浴槽のエナメルを撫でながら言った、危険を冒さなきゃだめなんだ、この抽象的な暮らしの平穏さを危険に晒して、その代わりに。そこまで言って言葉に詰まってしまった。
(集英社文庫『浴室』ジャン=フィリップ・トゥーサン/野崎歓訳)
一昨日の夜、撮影に出て帰ったきり、引きこもり状態。
明日は予定があるので、あちこち外出します。
さて、風呂に入るとしますか。
金村修『 I CAN TELL 』(芳賀書店)より
写真を実践するうえで、
その実践の基盤になるようなモデルは何もない。
モデルからの応用はできない。
すべての行動はすべての正しい理論をうんでしまう。
モデルは「発見」されるのではなく「発明」されるのだ。
モデルは捏造ででっち上げだ。
それは歴史的社会的であって普遍的なものではない。
モデルのない応用。
http://www.bk1.co.jp/product/1994532
※ピクセル等倍を約2/3に縮小(http://www.nobuhiro-fukui.com/thumb_16.html#)
YouTubeのエレクトリック・マイルス
で、YouTubeでエレクトリック期のマイルス・デイヴィスを
調べてみました。YouTubeキテます。さすが!
◇ YouTube - Miles Davis Live: "Ife"
◇ YouTube - miles davis electric 73 montreux
◇ YouTube - Electric Miles
◇ YouTube - miles davis electric 73
◇ YouTube - Miles Davis - Call It Anything
◇ YouTube - Miles Davis Live: "Inamorata" with Keith Jarrett and Mtume
◇ YouTube - Miles Davis & Co. At the Isle of Wight Festival
◇ YouTube - miles davis 1971
◇ YouTube - miles davis 1971 paris
◇ YouTube - Miles Davis Live In Rome 1969 (Wayne Shorter Chick Corea)
◇ YouTube - Miles Davis 1969 - Bitches Brew
◇ YouTube - It's About That Time (with the "Lost Quintet")
◇ YouTube - Miles Davis 1969 - I fall in love too easily
◇ YouTube - Miles Davis - Rated X
◇ YouTube - Miles Davis - Honky Tonk
◇ YouTube - Miles Davis - Red China Blues
菊地成孔東大ゼミ非公式 website
http://f37.aaa.livedoor.jp/~skmogura/
http://f37.aaa.livedoor.jp/~skmogura/log.html
まだ読んでません。。。
◇ 菊地成孔 大谷能生『東京大学のアルバート・アイラー─東大ジャズ講義録・歴史編』
http://www.amazon.co.jp/dp/4944124198
◇ 菊地成孔 大谷能生『東京大学のアルバート・アイラー─東大ジャズ講義録・キーワード編』
http://www.amazon.co.jp/dp/4944124201
◇ report from chaos(東京大学教養学部 菊地成孔/大谷能生ゼミ)
http://www.geocities.jp/television2nd/index-home.htm
◇ report from revolution (『大谷能生のフランス革命』増補テクスト版)
http://www.geocities.jp/television2nd/index-home2.htm