Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

見てきたもの(ざっとメモ)

金村修 OSAMU KANEMURA「My name is Shockhammer」@Port Gallery T
http://www.portgalleryt.com/exhibitions/osamu_kanemura.html
大全紙4段掛け壁3面ぎっしり。ほかに180cm×150cmぐらいの大きな作品が3点(海外で既発表の作品を大伸ばししたもの)。
4段掛けの写真は、7割ぐらいが商店街や盛り場の通りを道なりに正面から撮りながらも消失点をツブした写真。
横浜美術館の「水の風景」展に比べると撮り方のバリエーションは少ない。が、かなり充実した展示でした。*1
東京で撮影された写真では、下北沢、秋葉原、渋谷、新宿、池袋、東十条、大宮(東京ではないが)など、
大阪で撮影された写真では、京橋、天満、千代崎、曽根崎などなどがセレクトされていました。
あと、行楽地の写真(鍋焼きうどん屋?)も目立ってました。
前回の大阪での展示に引き続き、マネキンの写真もありましたが、今回はかなり対象との距離が近かったです。*2
写真に囲まれて引きがとれない展示空間だったのも関係しているのか、
いつもよりもプリントが平らでした。*3
また、プリントの調子が少し変わったように思います。
印画紙かプリントまでのプロセスに変化があったのかもしれません。
カメラがペンタ67になったことも関係しているのかもしれません。
ほしいプリントもあったが手が届かず。。。
とりあえず仕方なし。いずれ。


金村修『My name is Shockhammer』(オシリス

発行:2007年10月19日
総頁数:16頁(写真点数=モノクロ15点)
体裁::A3判
定価:1,575円(税込)
限定1,000部、著者サイン入り

http://www.osiris.co.jp/sh.html
http://www.osiris.co.jp/
青山ブックセンター本店にて購入。
タブロイド版新聞のようなつくりです。急遽制作されたという話です。
おそらくスミ版のみの印刷なので、プリント本来の魅力が半減してしまっているのが残念。
しかし、判型が大きいのが魅力。センターページは見開きになっていています。
300〜400ページくらいある大部の写真集が発売されることを期待します。


◎ 松江泰治 Taiji MATSUE「cell」@TARO NASU GALLERY (OSAKA)
http://www.taronasugallery.com/exh_osaka/index.html
「一枚のネガのなかで面積としては200分の1を占めるにすぎないディテールを、45cm角 の画面に拡大した」作品を
壁面のタイル状のユニットを剥がした箇所に展示(詳しくは小田寛一郎さんの記述http://d.hatena.ne.jp/k11/20071013を)。
作品はアクリル加工。タイル状のユニットにあわせて、厚みが10〜12mmほどの通常よりも分厚いアクリルを使用。
作品を掛ける位置は高低さまざま、ランダムに配置されていました。*4 ギャラリーの設計は青木淳さん。
今回の松江さんの作品は、フォトショップのCS2かCS3を使って
かなり強くアンシャープマスクをかけたような状態のテクスチャーがかえって目に心地良かったです。
武居功一郎さん(http://www.takesuekoichiro.com/)の作品の風合いに少し似ています(ウェブの画像だとわかりませんが)。
金村さんの展示と同様に、ほしいプリントがあったが手が届かず。。。
とりあえず仕方なし。いずれ。
あと、ギャラリースタッフの方から謎の巨大な箱の正体を教わり、その中に入らせてもらいました。
箱の中はバーカウンターになっていて、小さなテーブル1つとスツール4脚があり、
ワインセラーも設置されていました。オープニングパーティ等で使用するそうです。


◎ The Third Gallery Aya  ※展示替えのため休廊
http://www.thethirdgalleryaya.com/
サードギャラリー・アヤ。とりあえず場所を確認。
Port Gallery Tからも比較的近いです。


金氏徹平「Hole & All」@児玉画廊
http://www.kodamagallery.com/start/index.html
階段を上がって1つ目の部屋のインスタレーションに痺れる。
皮を外した太鼓(大小数種類)、パイプ、ガムテープ、ドーナツの食品サンプルなど、
中が空洞になったカラフルな筒状のモノの内側を白い樹脂 石膏*5で塗り込め、
筒の両端に向けて垂らしながら、つららのようなトゲトゲに加工した作品が床に配置されているのだが、
部屋のどの位置に立って、どの角度から見ても、空間がユルく見えることがないという。。。
こうしたインスタレーション作品は、良く見える角度がとても限られていることが多いと思っていましたが、
そうした私の中での定説が書き換えられることになりました。かなり長く見ていました。
作品の中が空洞なので鑑賞者が身体を動かすことによって、
その奥にあるモノが見えたり見えなかったりすることと、色の扱い方がポイント?
ほかにも2つの部屋を使って、また少し違った方向性の(というか東京の児玉画廊で展示されている作品に近い)
作品が展示されていました。というか、1つ目の部屋のインスタレーションが良すぎて、
他の作品の印象がどんどん薄れていってます。
馬の置物の頭部を削ってケンタウロスにした作品もありました。


◎ ヨシダミナコ「correspond」@roundish
http://www.roundish.com/art/exbition1/
ポートフォリオ(ブック?)の作品を含め、可能性を感じる写真もありましたが微妙な内容。
映像作品(音楽あり)はむしろ展示しないほうが正解では?
ヘタすると展示が台無しに。。。というか命取りに。。。
欲張りは禁物だと思いました。
せめて『コヤニスカッツィ』とかを見たことがあれば
ブレーキを踏むことができたのでは。*6


◎ 現代美術の皮膚@国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/japanese/b3.html
小谷元彦とマーク・クインの彫刻、キキ・スミスの映像作品、
フィリップ・ブロフィのおバカなインタラクティブ作品、
西尾康之の幽霊、レスリー・ディルの写真と蝋、オルランの整形手術写真、
イ・ドンウの小さな人、、、、


◎ コレクション3@国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/japanese/b2.html
「空間を活かす」の岡崎乾二郎「あかさかみつけ」4点組、高谷史郎が作品に使っていたネジ、
「内的世界をめぐって」のイリヤ・カバコフ「天使と出会う方法」のぞんざいな仕上げ、
「自然世界をめぐって」のロバート・スミッソン、
年代別展示「時代の空気」の東松照明、ゲオルク・バゼリッツ、鴫剛、山口勝弘宮本隆司伊藤存、、、
地下2階・3階どちらもですが、展示スペースの壁の傷みがけっこう目立ってきていました。
そろそろ補修の時期でしょうか。あと、水平がとれていない額がいくつかあったのが気になりました。


国立国際美術館開館30周年記念シンポジウム「未完の過去 - この30年の美術」
http://www.nmao.go.jp/japanese/kouenkai_popup/200711Symposium/200711Symposium.html
石内都さんが相変わらずかっこよかった。*7「特別ジェンダーを意識して作品をつくったりはしていません(キッパリ)」。
岡崎乾二郎さんはアメリカに滞在中のため、iChatで参加。
しかし、通信状態が悪く、会場パネリストとのやりとりがイマイチかみあってなくて残念。
C系列の思考は実作者にも使えると思います。


国立国際美術館のレストラン「クイーン・アリス・アクア」
壁に掛けられていたヴォルフガング・ティルマンスのインクジェットプリント数点(3点組と2点組だったかと)。
額のセレクト、額の中への入れ方と適度なたるみ。


※nomart(http://www2.nomart.co.jp/)は展示替えで休廊のため訪問せず。
 CASO(http://www.cwo.zaq.ne.jp/caso/)は時間がなくて行けずじまい。
 特別展覧会 狩野永徳京都国立博物館http://eitoku.exh.jp/)は、かなり混んでいるという話だったので見送り。
 撮影時間の確保と体力調整重視の2泊4日。

*1:天井の高い気持ちのいいスペースです。
  ディレクターの天野さんによれば、年2〜3回は企画展をやっていきたいとのこと。

*2:前回のショーウィンドーの写真は、
  森山大道的なショーウィンドーの撮り方に対する応答だと、
  個人的には思っています。

*3:金村さんは、あえてフラットニングせずにプリントを展示することが多いです。

*4:見下ろす角度が緩やかなものを高い位置に、見下ろす角度がきついものを低い位置に掛けているように思いました。

*5:訂正しました。

*6:コヤニスカッツィ』には、たぶんアンドレアス・グルスキーも少なからず影響を受けているはず。

*7:【参考】石内都×楢橋朝子『main 10号』より
  http://d.hatena.ne.jp/n-291/20060220#p8

ダムタイプ「メモランダム」の一部がYouTubeにアップされています。

YouTube - dumb type - memorandum (chapter2-part1)
 http://www.youtube.com/watch?v=YoF2UCGj_Nw
YouTube - dumb type - memorandum (chapter2-part2)
 http://www.youtube.com/watch?v=kZ5uGjjAvNI
YouTube - dumb type - memorandum (chapter6-part1)
 http://www.youtube.com/watch?v=HbSXbK-EpYY
YouTube - dumb type - memorandum (chapter6-part2)
 http://www.youtube.com/watch?v=35s5IobfwRQ