Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

中原昌也を北方謙三と石田衣良が挟み撃ち!?

先日発売された中原昌也さんの『ニートピア2010』を購入しようと思って某書店に行き、
新刊コーナーで棚差しになっていた同書を手に取ろうとしたところ、
左隣が北方謙三『楊令伝 四 雷霆の章』、右隣が石田衣良『夜を守る』になってました。
「親指王子」を「試みの地平線」と「空は、今日も、青いか?」が挟み撃ちといった状況。
これは何を意味しているのだろうか。
中原&小山田の「ボストン・ストラングラーズ」は実現しないのだろうか。。。
……などと、手に皿をもって焼き蕎麦かなにかをもぐもぐやりながら書いてみました。


◎ 出口のない世界を撃つ傑作短篇集『ニートピア2010』

■内容紹介■
ここが文学の極北! 書くことの不可能性との苦しくも笑いに満ちた闘いの記録。あらゆるメーターを振り切る芥川賞落選後初作品集


書くことについて、「続けなきゃいけない、続けられない、続けよう」というのはノーベル賞作家サミュエル・ベケットの言葉。いま、日本でベケットに一番近い姿勢で書くことについて悩み、書き続けている作家・中原昌也さんの最新作品集です。
まずは短篇「誰が見ても人でなし」の、数ページにわたって続く無意味なスローガンの連射を浴びてください。爆笑とともにきっと中原中毒になるでしょう。ほかに、エンターテインメントに果敢に挑戦し、挫折する「中間小説」など野心作を収録。文学の最前線が体験できます。(NK)

http://www.bunshun.co.jp/book_db/3/26/66/9784163266602.shtml
http://www.amazon.co.jp/dp/4163266607


◇「真実じゃない、『本当』なんだ(中原昌也ニートピア2010」評)」長嶋有 - 文藝春秋
http://www.bunshun.co.jp/yonda/shinjitsu/shinjitsu.htm
長嶋有さんによる書評です。「本の話」3月号の掲載原稿がアップされています。

倉石信乃「インデックス雑感」より

 そして、写真の不在は、どのように具体的に記述されうるか。写真とともにある生は、どのように写真を放逐し、その不在に耐えるのか。例えば、サミュエル・ベケットのテクストにとって、写真はしばしば、記憶、とくに自伝性を帯びた私的な記憶の代理物であり、かつ「視触覚的」な物質を意味している。写真は、眼差しの対象として想起を促すとともに、まさに眼差しと想起の「間」で、手に取って具体的に破り捨てられる「物」でなくてはならなかった。


《なにもない壁。そんなふうに毎夜毎夜。起き上がって。靴下をはいて。ナイトガウンを着て。窓のところへ行って。ランプをつけて。光の輪のへりまであとじさりして、廻れ右をして、なにもない壁に向かって立つ。昔は写真がいっぱい掛かっていた。写真 … 彼はもうちょっとで、肉親の、と言うところだった。額縁に入ってはいなかった。ガラスもついていなかった。画鋲で壁にとめただけ。形や大きさはいろいろだった。上から下へ、一枚ずつ。今はない。こまかく千切って、散らした。床じゅうにばらまいた。いっぺんにじゃない。発作的に … なんの発作か、言葉が見つからないが … 発作に駆られたんじゃない。一枚ずつ壁から引きはがして、こまかく千切った。何年にもわたってだ。何年もの夜。今じゃ壁には画鋲しか残っていない。画鋲も全部じゃない。釘抜きといっしょに外へ捨てたのもある。紙のはしきれがまだついているのもある。というわけで、なにもない壁に立ったまま。》(サミュエル・ベケット「モノローグ一片」、高橋康也訳、『ベケット戯曲全集3』所収、1986年、223-224頁)


 『モノローグ一片』では、登場人物は、後期ベケットのテクストの頻出例に漏れず、緩慢に死を迎えようとしている。かつては壁中を覆っていたファミリー・ポートレイトが、長い間に外されていき、壁面はいまや画鋲の穴だらけとなる。そこには、二重に「痕跡化した風景」が現出する。一度目の痕跡は、過去の現実の喪失を補填する写真だった。二度目の痕跡は「現実の喪失を補填する写真」の喪失を補填する、画鋲、画鋲の端についた切れ端、そして壁面に穿たれた繊細な穴にほかならない。壁の穴は、パースを引いて言えば、インデックスである。「写真の死」はやがて訪れるだろう。前後してたぶん「写真の観察者の私」は滅びるだろう。一瞬たりとも他の自分と邂逅することなしに。現に写真はもはやない。私はすべて写真を破り捨てた。だが、「そこに穴はある」。それが希望か、それが問題だ。

※現代写真の動向2001「outer ⇄ inter」@川崎市市民ミュージアム カタログ所収



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村上綾子「Differncia」@ART TRACE GALLERY

開催中〜3月30日(日)
http://arttrace.org/
http://www.tokyoartbeat.com/event/2008/99DC
金村修ワークショップ同期の村上さんの展覧会が、
両国のART TRACE GALLERY(http://www.tokyoartbeat.com/venue/B8C3537A)で開催されています。
武蔵美系・抽象画のイメージも強いギャラリーですが、
中田寛也さんほか写真の展覧会も、たまに開催されているようです。


今回の村上さんの展示は、ゆったりとした広い会場をうまく使ったインスタレーションでした。
テーブルや椅子、柱に結ばれた糸、床に置かれたモノクロ写真にも、
ささやかながら、さまざまな意味が込められているとのこと。
最終日にはクロージングパーティーも開催される予定です。

ミクシイに載せた文や写真は勝手に商品にされます。 - ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20080303
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20080303
町山智浩さんのはてなダイアリーより。
これは危険です。
使い方に注意しないと。。。


◇ [mixi] 利用規約 - mixi利用規約
http://mixi.jp/rules_sample.pl

これは↑株価操作とみた

mixi利用規約 平成20年4月1日 制定」版の件ですが、
一連の騒動(まだまだこれからでしょうが)で
美味しい思いをする人がいそうです。


ミクシィ 2121 株価情報 - Technobahn
http://www.technobahn.com/cgi-bin/detail/q?r=5d&c=2121&s=medium&color=&t=technical
◇ 2121.tYahoo! - ファイナンス
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=2121.t&d=t


ぜひ、ジョーマクモニーグル(Joseph McMoneagle)に
本件の真相を究明していただきたい。


◇ 「ジョーマクモニーグル 未来を透視する」とサブプライム問題 - 時空を超えて
http://59155480.at.webry.info/200801/article_1.html
◇ FBI - MATTUの日記
http://d.hatena.ne.jp/MATTU/20080303

再録(http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070823#p3)

■20年遅れの『ハビタット』が人々の「夢」を喰らう???*1
アナーキーになるセカンドライフとグーグルアースによる町おこし - アンカテ(Uncategorizable Blog)
http://d.hatena.ne.jp/essa/20070822/p1


……だそうですが、それがGoogle(あるいはリンデンラボ)による「世界」である限り、
Google(リンデンラボ)というビッグ・ブラザーに管理されるだけのような。。。*2
また、もしその「世界」が広大で管理しきれない規模だったとしても、
ビッグ・ブラザーに監視業務を委任された
無数のリトル・ブラザーたちに管理されるだけでしょう。
甘言に惑わされて、わざわざ毟られにいく人の気が知れません。


つか、そもそも、人間が熱力学第2法則に勝利しない限り*3
いずれにしてもたいして意味ないような。。。


現実の階層化により落ちこぼれた人々が現実’で競争し、
現実’の階層化により落ちこぼれた人々が現実’’で競争し、
現実’’’の階層化により落ちこぼれた人々が現実’’’’で競争し、
というような事態が期待されたりして。
並列的に増殖する場合と重層的に増殖する場合がありそうです。
現実の「’」が増えるたびにおそらく「世界」の人口が減少するので、
その様子は、最後の1個を取ると負けという「毒まんじゅう」ゲームを想起させますね。*4


ところで、セカンドライフについては、大手広告代理店なども動き始めているらしいです。
ってことは、たとえば『MAC POWER』あたりが、
セカンドライフでクリエイティブほにゃらら!」とか、
「グーグルアースでなんちゃらコラボレーション!」とか、
調子のいいこと言って、かしましくなってきたら要注意ですな。


【関連? というか基本と前提?】
◇ 情報自由論 html version index - 波状言論
 http://www.hajou.org/infoliberalism/index.html
◇ LSDの「S」
 http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070809#p3

*1:● The Lessons of Lucasfilm's Habitat [Chip Morningstar and F. Randall Farmer, Translated by Ken Tezuka]
  http://homepage3.nifty.com/~tezuka-k/Habingo/LucasHabi.html
  ● ハビタットの伝説 F.Randall Farmer, 1988年秋 (Translated by Dr.Ken, 1997年秋)
  http://homepage3.nifty.com/~tezuka-k/Habingo/Anecdotes.html
  ● サイバーシティ体験記
  http://www.ritsumei.ac.jp/~hideytam/maindoc/community.html

*2:ビッグブラザーとは - はてなダイアリー
  http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C3%A5%B0%A5%D6%A5%E9%A5%B6%A1%BC
  ● ジョージ・オーウェル1984年』
  http://ja.wikipedia.org/wiki/1984%E5%B9%B4_%28%E5%B0%8F%E8%AA%AC%29
  http://www.bk1.jp/product/00278081
  http://www.amazon.co.jp/dp/4150400083

*3:● エルヴィン・シュレディンガー『生命とは何か』 - 松岡正剛の千夜千冊
  http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1043.html

*4:毒まんじゅう」は、2人でプレイした場合、「初期状態の行列数が奇数であり、
  かつ、すべての行列のまんじゅうの数が1」のケースを除いて、
  必ず先手が勝つゲームだったと記憶しています。先手必勝です。