Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

見に行きたいのですが見に行けてません。

デイヴィッド・リンチインランド・エンパイアアメリカ、2006年 @恵比寿ガーデンシネマ1 - 見ることには愛があるが、見られることには憎悪がある

 やはりある統覚によって支配されているのだろう、ということを、よく良い映画を観た後の帰り道で感じるアレ、風景が変容してくるというアレ、ガーデンプレイスの風景がリンチ的に見えてくるという現象によって思うのだった。それどころか、この今私が生きている世界の法則にまで疑義が及んでくる、本当に行きと同じようにこの道を引き返せば、恵比寿駅にたどり着くのだろうか、つまり今までは確かに林檎は下(鉛直方向、地球の中心)に向って「落ちて」いたが、次も本当に落ちるのだろうか、というところまで及んでいくのだった。


 ディテールの描写が執拗で見事であるが故に、その強度故に、どんどん宙に浮いてくる。それは天賦の才などというロマンティックなものではなく、ただただ技術があるのだのいうことに、本当に素晴らしく昂揚感のあるエンディングでのこぎりを引く男の顔を観て、今更ながらに気付くのだった。あののこぎりを引く男の顔がもっともリンチ的な顔だけを抽出したものなのかもしれない。

http://d.hatena.ne.jp/miro_41/20070822/1187797103


この作品を酷評していたのは、中原昌也さんぐらいでしょうか。
私が巡回している映画評関連のブログやサイトを見る限り、ほとんどの方が絶賛しています。


ぜひ、見に行きたい。しかし、恵比寿から足が遠のいています。結局、マーティン・パーも見逃してしまいましたし。。。
あと、恵比寿ではないんですが、横浜BankART1929とBankART NYKのボルタンスキー企画
南阿佐ヶ谷のギャラリー街道の展示(尾仲浩二さん、本山周平さん、斎藤篤さん)
残念ながら見に行けずじまい。


かろうじて見に行けたのが、渋谷の「Bunkamura Art Show 2007 −extremes meet−」でした。
松山智一さんが帰国していたみたいなのに、お会いできなくて残念。残念づくし。です。