Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

再録(http://d.hatena.ne.jp/n-291/20060606#p6)

■それらは飽くまで人畜無害なエンジョイアビリティを超えません(宮台真司
“要は、アイコンといっても、高々トライブのアイコンに過ぎないのです。
森川嘉一郎君の話が出たからアニメでいえば、押井守イノセンス』にしろ
紀里谷和明『Cachern』にしてもサブライムなアイコンが復権しているよう
に見えます。高さを崇高さと読み替える「ゴシック的なもの」が覆い尽くし
ているように見えます。アイコン的なものの過剰です。
 にもかかわらず、それらは飽くまで人畜無害なエンジョイアビリティを超
えません。論理的に、超えるはずがないのです。社会システムは、そうした
エンジョイメントとは完全に無関連に回っています。人々が各種トライブの
中でアイコンを押し立てても、それとはインディファレントに社会システム
は回るということです。
 すると、建築家や広い意味でのアーキテクチャー・デザイナーが、今後バ
ーチャル・ボディを設計するといっても、意匠や内容にかかわらず、もはや
インフラ・レベルでのシステム構築にコミットしているとは言えません。む
しろインフラ・レベルでのシステムが滞りなく回転することを前提に成り立
つ、偶発的で恣意的な表象に関わっているだけです。 ”


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工学院大学シンポジウム(磯崎新氏・山本理顕氏と)での宮台発言」より
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=241