Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

再録(http://d.hatena.ne.jp/n-291/20060811#p2)

■いまから137〜138年前の絵画のはなし
「たとえばマネの《バルコニー》で、この女性が主題なのか、それとも背景の人物が重要なのか、
もしくはバルコニーそのものが重要なのか。フォーマリスティックにいってしまえば、はじめから
解釈が絵全体の構成にいくわけだけど、この時代は、やはり絵というものは、視覚像を組織化する
中心というか、欲望を組織する中心としてのイメージ、表象がないと成り立たないと自覚されてい
て──実は現在再び、こうした主題主義は復活してきているわけですが──マネは、それをいかに
無防備なかたちに解体するかと。というのも、それは基本的に与えられた(given)ものだったか
ら。いずれにしても当時は、観客が一般的に見たいと欲望するものは、社会的に規定された、いわ
レディメイドのものだ、という意識ははっきりあったと思う。」
松浦寿夫岡崎乾二郎『絵画の準備を!』(朝日出版社)より岡崎乾二郎さんの発言
http://www.amazon.co.jp/dp/425500353X
http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/20051223


エドゥアール・マネ《バルコニー》1868-69
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