Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

メモ:呉智英さんのコラム@産経ニュース

◇ 【断層】呉智英 追悼「三バカ大将」 - MSN産経ニュース

 平岡は一九六二年頃、犯罪者同盟を結成。私有財産否定の犯罪者革命を決行すべく古本屋で『悪徳の栄え』を万引きしたはいいが、警察に逮捕され、梅本克己や丸山真男に嘲笑(ちょうしょう)された。私はその十数年後、犯罪者同盟について平岡に聞こうとしたが、それは秘密ですとかわされた。犯罪者こそ革命家だと言うのなら、支那で略奪や強姦をして戦争犯罪者となった連中も革命家なんですね、とも聞こうと思ったが、可哀想で聞けなかった。根は善良な人なのである。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090805/acd0908050739002-n1.htm


◇ 【断層】呉智英 ある「被爆者」の記録 - MSN産経ニュース

 記事ではそういう誠実な被爆記録者の追悼という論調だ。新聞記事ではそれ以上は期待しにくい。しかし、伊藤の業績として『未来からの遺言』(青木書店)を忘れてはならない。これは伊藤にしかできなかった重要な仕事である。予備知識なく読んだ方が衝撃は大きいのだが、やむを得ず内容を紹介する。

 この本はニセ被爆者を暴露告発してはいない。核時代の共同幻想としての被爆者を描いたのだ。しかし反核運動の立場からは利敵行為となりかねない。それをなおこれもまた核時代の記録として残した伊藤は立派である。被爆体験が風化するのは一つには「正義の陳腐化」のためだ。共同幻想という視点を意図せずして提示したこの本は、心ある研究者に高く評価されながら、絶版である。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090513/acd0905130820001-n1.htm


◇ 【断層】呉智英 全共闘を論破した大学学長 - MSN産経ニュース

 運動には始まりもあれば終熄(しゅうそく)もある。では全共闘運動はどのようにして終熄したと思われているのか。学生が教育や政治に不満を抱き反乱を起こし、学長や理事らを“団交”でやり込める。大学当局は慌てふためき、ついには機動隊を導入して、実力で押さえ込む。こんな風に思われている。確かにほとんどの大学ではそんな終(おわ)り方をした。しかし、ただ一つ、学長が団交で全共闘を論破し、バリケードを学生自らに解かせた大学がある。多摩美術大学である。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090708/acd0907080745002-n1.htm