Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

ヘルツォーク&ド・ムーロン両氏が漫画にチャレンジ。 - swissinfo

 漫画のスタートは、バーゼルというライン川にある都市を歴史的に紐解き、この都市がヨーロッパ文化で果たしてきた重要な役割について触れている。次いで、ミッシェルとパトリシアのカップルが6つのテーマを毎日1つずつ1週間かけ、検討していくように構成されている。6つのテーマとは、住居、仕事、移動、ショッピング、教育、余暇活動、娯楽だ。

 こうした構成の中で注意を引くのが、都市計画の具体的なアイデアだ。現在あるバーゼル市に入るための数本ある幹線道路を1つにまとめ、その結果余る土地を住居区に充てる。もう1つのアイデアは1932年に整備された中央墓地は住居区として最適な場所にあるので再整備するといった提案だ。

 また、「都市の縫い合わせ」という深く考察された理論も登場する。これは道路などの交通幹線で分断された都市のさまざまな部分を再び「縫い合わせる」という考えだ。

 文化的側面では、ヘルツォーク&ド・ムーロン本人が設計した、風変りな美術館「シャウラーガー ( Schaulager / 展示倉庫)」の在り方にも触れている。これは、美術品収集家エマヌエル・ホフマン氏の所蔵品を収納する倉庫で、特別展の時に限り一般公開され、専門家は予約で作品を観ることのできる場所だ。

 そのほかこの都市計画の「漫画」には、ライン川沿いに構想される高層ビル群、2国間にまたがるセントラルパーク、新しいオペラ座イスラム寺院などなど、新しいプロジェクトが盛りだくさんだ。

http://www.swissinfo.ch/jpn/front.html?siteSect=105&sid=11169568&cKey=1252058257000&ty=st