Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

K.K.さん/T.F.さん

2009-09-16 - 偽日記@はてな

●すっごく驚いた。ネットカフェのYouTubeで、有名な『ワラッテイイトモ』(K.K) をはじめて観たのだが、作中に出てくるK.K氏のアパートが、ぼくが今住んでいるところに引っ越す前に住んでいたアパートなのだった。しかも、その部屋というのが、ぼくの住んでいた部屋の隣なのだ。この、六畳一間、風呂なし、トイレ共同のアパートは今は取り壊されて駐車場になっていて、ぼくはそこに大学を出てから取り壊されるまで住んでいた。『ワラッテイイトモ』がキリン・アートアワードで話題になったのは2003年で、制作されたのは2002年頃だろうから、つまりK.K氏はその頃ぼくの隣人だったわけなのだった(アパートの家賃は確か一万二千円くらいだった)。

画面が西八王子駅前を映し出した時には、おおっとは思ったものの、このあたりは美大生とかも少なくないので、それほどは驚きはしなかったのだが、そのカメラがカットがかわらないままで移動し、ダイエーの角を左に曲がって、甲州街道を渡り、山梨銀行を右手に見る道に入って、南淺川の方に向かってゆくので、段々、この人、こんなに近くに住んでいた人なのかと思いはじめるのだが、そのカメラが、大家さんの家のある角で右に曲がり、そしてすぐ、さらに右に曲がって路地を奥に入ってゆく時には、えっ、まさか、と、自分の目が信じられなくなり、見覚えのある共同の郵便受けが映り、見覚えのあるドアに手がかかった時には、K.Kというのは実はぼくの分身というか、二重人格のもう一つの別人格の方なのではないかという目眩のようなものを感じたのだが(この間、ぼくは自分がリアルに阿部和重の小説の登場人物になってしまったかのように感じていた)、そのドアは、ぼくの部屋の一つ手前のドアなのだった。

それで、もう一度あらためて作品を観直すと、最初の方のカットに映っている蛇口は、まさにあのアパートの共同の流し場にあった蛇口で、ぼくもこの蛇口は何度も写真に撮っているのだった。ぼくがこの「偽日記」を書いている時に、ほんとに薄い壁一枚を隔てた隣の部屋では「ワラッテイイトモ」の編集がなされていたのかもしれなかったのだった。人はこのようにして過去に出会うのか、というか、過去はこのように回帰するというのか。

http://d.hatena.ne.jp/furuyatoshihiro/20090916


◇ コラージュアートの限界-「ワラッテイイトモ、」の壮絶さ - 煩悩是道場

コラージュアートで思い出すのが表題にも書いた「ワラッテイイトモ、」という作品の事です。

これについては以前エントリでも紹介した「なんにもないところから芸術がはじまる」の中に解説がある。


K.K、といっても、誰のことなのかわからないひとは多いと思うので、少し立ち入っておこう。

K.K.のことを初めて知ったのは、わたし自身が審査員のひとりであった現代芸術の公募展「キリンアートプロジェクト2005」でのことである。そこで、匿名ともイニシャルともユニット名ともつかぬ作家名で応募して来た「K.K.」なる人物の映像作品が、第一次審査の終了直前で、見ているもののあいだにたいへんな驚きと絶賛を巻き起こしたのだ。けれども、審査が進むに連れ、そこで扱われている内容が著作権をクリアできないことがわかってきたため、最終的には審査員特別優秀賞というかたちを取らざるを得なかったいわくつきの作品‐‐それが「ワラッテイイトモ、」の応募者、K.K.なのであった。

この「ワラッテイイトモ、」については、わたし自身、いくつかの場で折りにふれ書いて来たので、あえてここで繰り返す事は避けたい。しかし、それでは話がわからなくなってしまうということであれば、少しだけ話しておこう。

ワラッテイイトモ、」は、このK.K.なる人物が、一九九九年の最後の月に、人気テレビ番組「笑っていいとも!」のこの年の最終放映分、つまり月曜から金曜までの計二二五分(四十五分×五回)をいったん録画に収め、その後コンピュータに取り込み、そこに登場するタレントの表情や動きを、視覚上意味をなす最小限のレベルにまで解体し、静止、急制動、スローモーション、急加速、モーフィング、反転などを繰り返しながら、さらにそこに様々な記録映像や過去のテレビ番組の画像の挿入、はては手製の人形による人形劇やみずからの部屋の様子などを盛り込みつつ、ふたたび四十五分の映像作品に仕立て直したものだ。その間に費やした時間がおよそ三年半−−K.K.は、生活のために外で働くことはあっても、基本的には周囲との交流はいっさい閉ざし、いわゆる「ひきこもり」状態のまま、この、もうひとつの「笑っていいとも!」を、誰にも知られぬまま、断続的に作り上げていった。

「なんにもないところから芸術がはじまるP42-43より

ワラッテイイトモ、」という作品はアートとして「審査員特別優秀賞」を受賞しながら、著作権をクリア出来なかったが為に作品として「非公開」という憂き目に遭っている作品、だ。

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20080706/1215316158


>>>また見直しました。

http://video.google.com/videoplay?docid=-7878209151093236009
http://video.google.com/videoplay?docid=2487257463167332191
http://video.google.com/videoplay?docid=-4443020897061865957
http://video.google.com/videoplay?docid=8271641744960971050
http://video.google.com/videoplay?docid=-6110793106665750521
K.K.氏には、みのもんたの映像でも作品をつくってもらいたいものです。

http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070331#p3


ワラッテイイトモ、 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PL8FCE158EAC7B04D5
※上記リンク元がサービス終了のため映像はこちらを。


YouTube - 口ロロ - メローメロー
http://www.youtube.com/watch?v=QurGBagOncY


◇ □□□ “□□□” クチロロクチロロ』WEATHER 17 / HEADZ 23 - FADERBYHEADZ.COM

三浦康嗣と南波一海の2人組ユニット、□□□(クチロロ)がサンガツ、GROUP、ASLN、山本精一、他のリリースで有名なWEATHERより全13曲入りのフル・アルバムでいきなりデビュー。ミックスはROVODUB SQUAD、ASLNのメンバーで、スーパーカーキセルのプロデュースで有名な益子樹が担当。
くるりのメンバーからいち早く気に入られ、くるり主宰のノイズ・マッカートニー・レコーズのコンピレーション『NOISE McCARTNEY RECORDS COMPILATION』にも参加し、既に一部で話題沸騰中!!
楽曲ごとに音楽スタイルや楽器編成をフレキシブルに変化させつつも、不思議と統一感がある、極上なメロディーと魅力的なグルーヴが詰まった無敵のポップス・アルバムが完成。キリンジオザケン好きなら、きっとあなたの心をくすぐる筈。渋谷系とも違う、東京生まれと東京育ち(でも実は三浦はニューヨーク育ち)の二人による、ここ数十年の日本におけるポップ・ミュージックの歴史的な変遷を総括したかのような、「J-POP」の最終的な進化形がここにある。
●1stアルバム
●ビデオクリップ「メローメロー」は、キリンアートアワード2003で大きな反響を巻き起こした「ワラッテイイトモ、」の作者、K.K.が手掛けている。
視聴 *Windows Media Player7以上でご覧頂けます。

http://www.faderbyheadz.com/release/headz23.html
http://www.faderbyheadz.com/


◇ K.K. 反転映像計画 - YAMAMOTO GENDAI

あらゆる隙間を塞ぎ完全な闇にしたギャラリー内に、作家自ら全裸でたてこもること24時間。
完全な闇で完全に視覚・感覚を喪失した後、5つのレイヤーに分かれた「反転映像計画」の立体作品を次々に焼尽させていく。
切り取っても切り取っても金太郎飴のように現れる日常風景。
「過去」である映像と「現在」そこにあるジオラマ(しかし肉眼では見えない)とを対比させる映像作品をご紹介します。

http://www.yamamotogendai.org/japanese/exhibition/2005/kk.html


◇ 「K.K.反転映像計画」@YAMAMOTO GENDAI - おまえにハートブレイク☆オーバードライブ
http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/20050306/1110041018


◇ K.K. 反転映像計画 後半展示 - ART遊覧
http://www.art-yuran.jp/2005/02/kk.html


◇ The Door into Summer: The Age of Micropop (Japanese) / Contemporary Art Center, ATM
http://www.arttowermito.or.jp/natsutobira/natsutobiraj.html


◇ 「夏への扉──マイクロポップの時代」 - artscape
http://www.dnp.co.jp/artscape/exhibition/curator/sf_0703.html