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福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

広告収入減の各社にダメ押し! あらわになる"押し紙"タブー - 日刊サイゾー

 いま、こういう噂が流れている──新聞に全面広告を頻繁に出している大手メーカーが、広告代理店に強硬な質問状を送りつけてきた。それはこういう内容だった。

「本当に押し紙というのは存在するのか。もし本当に存在するのであれば、これまで我々が支払ってきた広告料金は、過剰請求ということになるのではないか。これは詐欺と呼んでも差し支えない事態であり、場合によっては訴訟も辞さない」

 これに対して広告代理店サイドは火消しに必死になっており、クライアント側に広告料金のダンピングも含めてさまざまな交換条件を提示しているようだ。これでいったん騒ぎは収まりそうな雲行きではあるものの、しかし一度暴露され始めた問題は、もう元には戻らない。

 いよいよ新聞社の押し紙問題が、新たな段階へと入ってきた。
 
 最初に突破口を開いたのは、「週刊新潮」である。6月11日号で、「『新聞業界』最大のタブー『押し紙』を斬る! ひた隠しにされた『部数水増し』衝撃のデータ」という記事を掲載したのだ。執筆したのは、かねてよりこの問題を追及し続けているフリージャーナリストの黒薮哲哉氏。「『押し紙率』を見てみると、大手4紙については読売18%、朝日34%、毎日57%、産経57%だった。4紙の平均でも、公称部数の実に 4割以上が『押し紙』」という衝撃的な記述だった。

 押し紙について、簡単に説明しておこう。押し紙とは、新聞社が販売店に売る新聞のうち、読者に届けられない売れ残りのことだ。たとえば、ある販売店が5000部しか読者に販売していなかったとしても、新聞社からは6000〜8000部と余計に販売店に届けられる。そしてこの余計な 1000〜3000部の仕入れ代金は、販売店側に押しつけられる。そうやって新聞社から押しつけるから、押し紙と呼ばれるのだ。


(前編)http://www.cyzo.com/2009/09/post_2783.html

しかし実のところ、仮に景気が回復したとしても、広告が新聞に戻ってくる保証は何もない。ある大手日用品メーカーのブランドマネージャーはこう言う。

「マスメディア広告に関しては、以前より影響力が減ったとはいえ、テレビの力はまだ大きい。特に、インターネットをあまり利用しない地方の消費者や高齢者へのリーチにはテレビは必要だ。だから今後広告は、テレビとインターネットの二本柱になっていくんじゃないか。それ以外の、媒体力のない新聞とかラジオとか雑誌は、もう不要だ」

 これが実態なのだ。そしてこういう新聞広告をめぐるひどい状況に追い打ちをかけるように、いよいよ押し紙問題が急浮上し始めた。これは、新聞の広告にとどめを刺すことになるかもしれない。

 ここにきてさらに今度は、「海外のメディアが、日本の新聞の押し紙問題に注目している」という報道まで流れてきた。

 報じたのは「週刊ダイヤモンド」誌で、7月16日付のダイヤモンドオンラインで「米メディアも"押し紙"を報道 新聞部数の水増しに海外も注目」と題し、以下のように書いた。

「米国の有力メディア『クリスチャンサイエンスモニター』が押し紙問題を報道すべく、販売店店主らへの取材を進めているのだ。取材を受けた販売店店主によれば、記者は特に、『日本企業に投資する海外の投資家が押し紙を知らないことを問題視していた』という。(中略)海外の投資家がそんな事実を知ったら、自らが投資する日本企業に、新聞社に対して抗議するように促す事態も考えられる。外国人投資家に、もの言う株主が多いのはいうまでもない。

 また、『英語圏での報道をギネスブックの関係者が目にすると困るのは読売新聞』(読売と係争中の販売店店主)との声も。同紙はギネスで、『世界最大の部数』と認定されており、取り消しでもされれば恥をかくからだ。

 さらに、一部の国内テレビ局も取材に動き始めているし、今年の株主総会押し紙問題について質問した日本人株主もいる」


(後編)http://www.cyzo.com/2009/09/post_2793.html

“文=佐々木俊尚/「サイゾー」9月号より”とのこと。


◇ 欧米の新聞は、既に死んでいる - 日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090706/199434/


◇ 【コラム】メディアの革命 (31) 「新聞社の未来」は「ジャーナリズムの未来」ではない?(河内孝) - マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/column/media/031/index.html


◇ 【コラム】メディアの革命 (32) 新聞界は"自然死"を待つだけでいいのか?(河内孝) - マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/column/media/032/index.html


◇ 河内孝【コラム】メディアの革命 - マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/column/media/index.html


>>>マル激トーク・オン・ディマンド 第321回 [2007年5月25日収録]

タイトル:新聞ビジネスはすでに破綻している
ゲスト:河内孝氏(元毎日新聞社常務取締役)
http://www.miyadai.com/index.php?blogid=1&archive=2007-6-4
http://www.videonews.com/


◇ 河内孝『新聞社破綻したビジネスモデル』
http://www.amazon.co.jp/dp/4106102056
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/610205.html


◇ 「新聞社 破綻したビジネスモデル」河内孝 - ガ島通信
http://d.hatena.ne.jp/gatonews/20070424/1177417920


◇ 新聞ビジネス崩壊の「Xデー」 - FACTA online
http://facta.co.jp/article/200702046.html

http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070608#p7


>>>元毎日新聞社常務取締役・河内孝さんの言葉より
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070609#p2


>>>「のうのう」としているのはどっちだ?
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070824#p2