Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

特別講演/ハンス・アビング博士 - 東京藝術大学美術学部附属写真センター

 * ハンス・アビング博士[芸術経済学] 日本講演ツアー

  「なぜアーティストは貧乏なのか?」


    * 講師:ハンス・アビング博士(アムステルダム大学名誉教授)

    * 日時:2009年10月23日 [金] 17:30〜(開場:17:00〜)

    * 会場:東京藝術大学 (上野校地) 美術学部 中央棟1階 第1講義室 → Map  

    * * 学外の方も自由に聴講できます:先着150名

    * 主催:東京藝術大学

    * 助成:オランダ王国大使館

    * 企画:山本和弘(日本学術振興会科学研究費助成金「厚生芸術の萌芽的研究」研究代表者)

    * お問い合わせ:美術学部附属写真センター

    *        Tel&Fax 050-5525-2294 E-Mail pc@ml.geidai.ac.jp

〈第三会場:大阪〉
日時:2009年10月25日[日] 13:00〜
会場:国立国際美術館 B1講堂
   大阪市北区中ノ島4-2-55 Tel 06-6447-4680
*聴講無料:先着130名
主催:国立国際美術館
助成:オランダ王国大使館

http://www.geidai.ac.jp/pc/lecture/tokubetsu/abbing.htm
東京での講演は本日これから。


>>>ハンス・アビング『金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか』(訳:山本和弘)

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4903341003
ナディフや書店で見かけるたびに、
「こんなに分厚い本で語るだけのことなの?」と疑問に思ってスルーしてましたが、
稲葉振一郎さんのブログの記述(http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20070316/p1)を読んで、
機会があれば手に取ってみようかと思いました。

http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070317#p11


◇ ハンス・アビング『金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか』(grambooks) - インタラクティヴ読書ノート別館の別館

 文化・芸術経済学の好著。アーティストとか学者とかを目指す若者必読。

 何だかんだいって芸術には威信があり、愛好者は無論のこと、それを需要しない人々でさえその権威を認める。ゆえに市場ベースでは採算がとれずとも芸術にはメセナや公的助成がなされる。そして人材は供給過剰となり、一部の勝ち組を除けば貧困に甘んじざるを得ない。その貧困にもかかわらずアーティスト志願は、一部はそのリスク愛好性ゆえに、また一部は芸術そのものの威信へのより強いコミットメントゆえに、市場からなかなか去らない――。

 自身アーティストで、副業として長く大学の経済学非常勤講師を務め、現在は芸術経済学教授である著者は、経済学者としては、この市場の歪みを正すために公的助成は縮小されるべきと考える一方、アーティストとしてはそういう主張にコミットすることに胸の痛みを感じている。しかも面白いのは、この芸術助成縮小論はただ単に彼の中の経済学者だけがいわせているのではなく、その背後にある、文化・芸術政策論にありがちな芸術のメリット財・公共財的性格の強調への懐疑は、ほぼ間違いなくプロのアーティストとしての著者の実作・営業経験によっても裏打ちされているということだ。

http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20070316/p1