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福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

デジタル・オイル・ペインティング展のお知らせ - CREST21ART - デジタルメディアを基盤とした21世紀の芸術創造

デジタル・オイル・ペインティング展
-油画描画シミュレータを使って-
東京藝術大学東京工業大学

2010年1月6日[水]〜20日[水]
東京藝術大学大学美術館 B2F 展示室2
休館日:1月12日[火]
入館時間:10:00-17:00
入場無料
油絵という呼び名は、絵の具の定着に油を用いた絵画の名称ですが、同時に西欧絵画の代名詞として使われてきました。当時、墨を中心とした絵画の伝統の中にあった日本美術界にとって、油をメディウムにした絵画には少なからず驚かされ、そこに新しい時代を感じたに違いありません。しかしながら、これに対して現代では技術が新たな脅威となりつつあり、デジタルの向こう側とこちら側といった分離が生まれています。 東京藝術大学東京工業大学は、2004年から油絵をコンピュータ上でシミュレートするソフトウエアの開発を行ってきました。これは、絵具・筆・キャンバス間の相関関係をアルゴリズムによってモデル化し、コンピュータ上でリアルタイムに油絵描画を実現するペイント・ソフト「OPS:油画描画シミュレータ」です。これまでのペイント・ソフトが2次元配列の画素(ピクセル)をベースにした、いわば色指定ソフトであったのに対して、このシミュレータでは各画素が3次元の立体データとして定義されており、絵の具がキャンバスと筆の間を物理的に移動する様を計算によって実現しています。そのために絵の具が垂れたり、盛り上がって固まるといった油絵特有の表現が可能になっています。色もまた、これまでのようなRGB3色ではなく、スペクトラムによって定義されており、絵の具の表面と底面を別々に定義できるために、重ね塗り等における色彩のリアリティーが飛躍的に向上しました。 デジタル技術の奴隷になるのではなく、デジタルの持つ革新性を、表現の深さにつなげるために続けて来た両学の共同研究の成果を、このシミュレータによって描かれた作品とともに、その開発研究の背景や活動を合わせて、展示いたします。

http://www.mxa21.jp/j/category/exhibition/
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