Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

アレアのライブ+2

YouTube - Area - Luglio, Agosto, Settembre (Nero)
http://www.youtube.com/watch?v=OCppCTHuo-s


YouTube - Cometa Rossa (Area)
http://www.youtube.com/watch?v=AdinKtm0Ark


YouTube - Area - L'Internazionale
http://www.youtube.com/watch?v=xUchXGvkWwI


YouTube - AREA - IL BANDITO DEL DESERTO
http://www.youtube.com/watch?v=chD6BOHTNy8


YouTube - Ici On Dance! - Area
http://www.youtube.com/watch?v=EFjf91BoeJ0


◇ 残暑のイタリアン・ロック祭 - 「石版!」

 アレアのデメトリオ・ストラトスがアントナン・アルトーの戯曲(?)を一人で上演している様子を収めたニュース映像。特殊効果いらずの超絶パフォーマンス。


 もう一個、デメトリオ・ストラトス(後半はアレアの演奏)。おそらく70年代のイタリアでホーミーができたのは、この人だけでしょう……。ちなみにこの人はエジプト生まれのギリシャ系イタリア人。ワールド・ミュージックに注目が集まるより遥か前に、アラブ系の音階と変拍子をフリージャズで演奏してしまったアレアはやっぱりスゴい。

http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20070823/p2


山本精一 :アレア / アレアツィオーネ " アレア・ライブ" - Improvised Music from Japan

 私は、「プログレファン」ではない。「専門雑誌」とかもあまり読んでない。なぜなら、今さらながらに、70年代のプログレッシヴロックを懐しみ、いとおしむなんていう姿に、少くとも「プログレッシヴ」なものを感じられないからだ。だいたいプログレファンっていうのは、センスが悪いのが多く、変なヨーロピアン志向だとか、アート屋志向、ゴシック趣味なんかに走る傾向が強い、そういうイメージが、廻りの連中を見ていていつも有った。

 だが、プログレッシヴロックと呼ばれた数多のバンド/アーティストの中でも、本当にスゴイ、本来の意味においての「プログレバント」は、ひと握りだが存在したのだ。私はプログレファンではないが、モノの善し悪しは分る方なので、こういう良質のバンドは、ジャンルなど超越して、アンテナにひっかかってくるんである。音楽っていうのは、全部元は一緒なので、たとえ、表現形態はどうであれ、受け入れる側の、感度さえちゃんとしているなら、良いモノはどんどん受信できる。

 カン、ノイ、マグマ、ファウスト、グルグル、キング・クリムゾン、バンダーグラフジェネレイダー、ゴング、アモン・デュール、タンジェリン・ドリーム、そしてアレア。今、こうして並べてみただけでも、何やら強烈な個性によって自己主張してくる連中ばかりだ。やはり、このくらいのレベルでないと、おいそれと「プログレッシヴ」なんていう冠は付けられないと思う。しかも、ここにあげたアーティストたちは全て、現在の音楽界に対しても、充分有効だ。 70年代後半から80年代初頭のニューウェーヴから、昨今はやりのトランス系テクノハウス、ロウファイや、ネオハードコア等にまで、その影響を見ることができる。これでこそ、真のプログレではないか!!ヴ、ナロード!!

 2曲目の冒頭で、ピアノのパトリツィオ・ファリセッリが、リンゴをうまそうに食べる音が入っているが、こうしたコミカルなセンスもまたアレアの魅力だ。この曲自体は、猛烈な難度を誇る、彼らならではのジャジーで、且つ、素晴らしい構成力を存分に発揮した名演だが、ややもすると、「非常にかっこいいジャズロック」と言う印象にとどまってしまう危険性も孕んでいる。もちろん、それはそれで結構なものだと思うが、私には物足りない。この曲のタイトルは、「オデッサのリンゴ」というので、おそらくリンゴを食べてるのだと思われる。なんかあまりにもそのまんまなので妙にバカバカしいが、実は、こうした遊びゴコロみたいなもの、「バカ精神」のようなものこそ、アレアをしてアレアたらしめていると、私は考えている。それによって、はじめて「良質のジャズプログレバント」から、「天才バンドアレア」と成ることができたのだ。ラストライヴで、卓球をやったファウストや、「マグマ語」を作り出し、辞書まで出してしまったマグマ、バカジャケットで、まず笑いを取る、グルグル等、超一流のプログレバントたちは、皆こうした「バカ精神」、「軽み」のようなものを持ち得ており、揃って「突き抜けて」いる。それにこそ私は魅かれる。2曲目以降、言ってみれば、結構アヴァンギャルドな演奏が続くのだが、所謂、「実験臭さ」や、イヤミのようなものを感じさせないのは、そのせいなのだ。私が、シンフォニック系の「プログレッシヴロック」を嫌いなのは、音楽本来が持っているべきである、そうしたアナーキーな部分が、全く欠如しているからだ。シンフォニックプログレのファンの多くが、クラフトワークを嫌悪していることを見よ。

http://www.japanimprov.com/syamamoto/syamamotoj/archive/area.html