Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

「謎解けた」という見出しは、ドクター茂木健一郎が付けたのか、毎日新聞の担当者が付けたのか、、、

等伯だより:脳科学者・茂木健一郎さん 「松林図」の世界、謎解けた - 毎日jp(毎日新聞)

 等伯の代表作といえば「松林図屏風(びょうぶ)」。とても日本的で特異な作品に彼がどうやってたどり着いたか私には謎でした。今回若いころから年代順に鑑賞できたことでわかった気がします。

 例えば、気になったのは「波濤(はとう)図」。岩にぶつかる波を墨で力強く描き、金箔(きんぱく)による雲などを配することでけんらんたる画面を作りあげています。等伯は“絵画界の秀吉”。能登から上京し、画業でのし上がった。波濤図のようなスケール感を身に着けたからこそ、全く逆の松林図の世界にも突き抜けることができたのだと思うのです。

http://mainichi.jp/enta/art/news/20100225ddm012040027000c.html
いずれにしても「謎」が「わかった」にしては、無内容なコメントです。
しかし、ウブな読者を引っかけるフック(釣り針)を、
話の中に無節操に散りばめていくテクニックは、
ある種、名人芸の域に達しつつあるように思います。


茂木健一郎 - クオリア評論
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualiareview/
そういえば、こんなブログもスタートしたようです。
私は、一番上の見出し「パフォーマンスは始まっていた」を
このブログのキャッチコピーかと勘違いして読んでしまいました。。。
ドクターのバズ・トークで何か「わかった気」になってしまうような方にとっては
必読のブログなのかもしれませんが、相変わらずの調子のようです。


それはさておき、赤瀬川原平さんの『名画読本 日本編』が文庫入りしてます。
ドクター茂木健一郎の脳講話なんかよりも、ずっと知的刺激に満ちた本なのでオススメです。
上記新聞記事でドクターが語っていた、長谷川等伯「松林図屏風」についてもふれられています。


赤瀬川原平『名画読本 日本画編』(知恵の森文庫)

出版社 / 著者からの内容紹介
えっ、日本画ってこんなに前衛〈アバンギャルド〉だったの?

古臭い、堅苦しい、偉そうだ、とっつきにくいなどの先入観があった日本画に、ユニークな視点で新たな鑑賞術を提案する。北斎の目は高性能カメラだ。「ぼかし」の技術が鑑賞者を快感に導く。日本画は空腹の絵画である……。北斎、広重、歌麿から雪舟等伯光琳まで、巨匠11人の名画14点の奥義に迫る。本文カラー、解説・山下裕二

http://www.amazon.co.jp/dp/4334783937
カッパ・ブックス版 1993年刊]http://www.amazon.co.jp/dp/4334005403


※過去の「ドクター茂木健一郎」関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%cc%d0%cc%da%b7%f2%b0%ec%cf%ba