Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

再録(http://d.hatena.ne.jp/n-291/20061106#p4)

■「経済成長は、ぼくたちの努力や成長の総和でしかない。」

  経済に限らず、あらゆる成長というのは自分だけに関わることじゃない。まわりの人々、社会全体、世界のあり方にもかかわることだ。成長して、余計に使えるようになったお金は、人助けにも使えるし、環境改善にも使えるし、あれやこれや、いまお金が足りなくてできない各種のよいことに使える。それを考えなきゃいけない。まだまだ世の中は完璧じゃない。もっともっとしたいこと、すべきことはある。それを実現するためにも、もっと成長しなきゃ。

  ぼく自身、来年までには少しは成長するだろう。あなたも成長するだろう。今日ぼくが出会った人すべてが、よほどの不運に見舞われない限り、まちがいなく何らかの形で成長をとげることだろう──少なくとも、成長するだけの潜在力を持っていることだろう。それを考えたとき、経済成長しなくていいとか、してはいけないとかいう連中の物言いは、噴飯もののアホダラ経でしかない。よほどとんでもない環境にでも置かれない限り、だまってたって人はあれこれ工夫をするし成長しちゃうし、みんながそれをやったら、経済だって当然のように成長するしかないんだもの。それが起こらない、という状況のほうがきわめて不自然だからこそ、人は低成長を憂慮しなきゃいけないんだよ。経済成長を願うのは、人の成長能力を信じ、そしてその潜在力を思い切り発揮してくれることを願う、信頼と希望の表明でもある。それが信じられないというならご愁傷さま。いや、ぼくだってそれが理解できない訳じゃない。セリーヌ読むとそんな気分になるし、しばらく前は ATR をきいて "Destrooooy!!" とか叫んでいたことでもあるし。でもぼくは反経済成長論者が本気でそこまで気骨あるペシミズムを本気で抱いているとはとても思えないのだ。

以上、山形浩生 の「経済のトリセツ」より。
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20061103
◇ 同「成長をなでる『盲』ってだぁれ?」
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20061104
ハリ・セルダンになりたくて - [マクロ経済学] 飛べ!日本経済〜成長会計で考える〜
http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20061105
稲葉振一郎の「地図と磁石」第二部 政治学的公共性論
http://hotwired.goo.ne.jp/altbiz/inaba/031202/textonly.html


※構図?
小飼弾氏 - ただいま営業中
「「じゃあどうすんの?」的な方向に議論が進めば建設的ですばらしいweb2.0時代の議論になったのだが」
http://d.hatena.ne.jp/n_y_a_n_t_a/20061104/1162625098