Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

倉石信乃さんの『スナップショット 写真の輝き』(大修館書店)とロバート・フランク関連

http://d.hatena.ne.jp/n-291/20100517#p4
倉石信乃さんの新刊。
すでに発売されています。
近日入手する予定です。


◇ スナップショット 写真の輝き - 大修館書店

被写体や現場に断りなしに撮影し公表することで、人間と空間の特性に迫ろうとするスナップショット。日本の優れた写真家が得意としてきたこのスタイルは、いまや勢いを失いつつあるのでしょうか? スナップショットの歴史を見つめながら、人やものの瞬間の姿を写しとり写真の輝きに変える、写真家たちの試みに迫ります。

http://plaza.taishukan.co.jp/shop/Product/Detail/30581


◇ スナップショット−写真の輝き 本日配本 - FIAT MODES

収録される文章は次の通りです。


監視とスナップショット
彼女のワンピース 被爆資料と写真の現在
遭遇の技術 北島敬三のスナップショット
彼女あるいは私の分身 石内都『Mother's』
実家、あるいは表象のステージ 安村崇『日常らしさ』
群衆はみえない 土田ヒロミ『新・砂を数える』
すべての/ひとつのポジション 「日本の写真におけるさまざまな位置」展への感想
Ruin/Desolation Row 廃墟と写真をめぐって
ネガの手の叫びのために 石川直樹『NEW DIMENSION』
写真のシアトリカリティ
写真史へのコメント
監視の現在+ウォーカー・エヴァンズの「超越」

http://fiatmodes.blogspot.com/2010/06/blog-post_10.html
倉石信乃さんのブログより。
そういえば先週末、次のような発表が行われたようです。


◇ The Americans再考@慶応義塾大学 - FIAT MODES

The Americans 再考――ロバート・フランクへのインタヴューに拠って

倉石信乃 (明治大学)

<発表要旨>
昨年(2009年)ワシントン・ナショナル・ギャラリーで開催された回顧展「Looking In:Robert Frank's The Americans」は、写真家・映画作家ロバート・フランク(1924年生まれ)のモニュメンタルな写真集The Americansのアメリカでの出版から数えて50周年を祝う企画であったが、特に試作のプリント、コンタクト・プリントなど、写真集へと結実するまでのプロセスに焦点が当てられたことに注目が集まった。
私は、「Looking In」展開催に併せて日本の出版社・邑元舎から刊行された限定版の写真集『The Americans, 81 Contact Sheets』(2009年)に収録するため、作家本人へのインタヴューを行なう機会を得た。本発表では、このインタヴューにおいて語られたフランク自身の回想に基づきながら、「Looking In」展の成果の一部を参照しつつ、The Americansの制作を通して作者の見つめたアメリカ社会と写真表現について再考する。またThe Americansの出版直後に、映画制作へと向かった展開についても、映像資料などを交えて言及する。

http://fiatmodes.blogspot.com/2010/06/americans.html

      • -


◇ Frank, Robert (ロバート・フランク) / Robert Frank : Moving Out - 書肆小笠原

ワシントンのナショナル・ギャラリー (1994年10-12月) を皮切りに全世界を巡回した、ロバート・フランクの 「ムーヴィング・アウト」展。本書はそれが横浜美術館で開催された際の図録作品集。もちろん写真だけでなく、映画人からも評価の高いフィルム作品についても、リストや、解説その他が収録されており、ロバート・フランクを知るには絶好の資料となる。状態良好。

http://www.book-oga.com/wimages/movingout.html


倉石信乃『反写真論』(オシリス

1 写真使用法

写真のように書く
写真使用法
反写真論


2 写真家の方へ

真実の手──ロバート・フランクの「言葉」について
PRIVATE GIFT──荒木経惟の日記
潜像に抗して──荒木経惟のカラーコピー作品
写真は盗まない、それは与える──ナン・ゴールディン『I'll Be Your Mirror』
風なき野道に遊戯をすてよ──萩原朔太郎撮影の写真
犬と人間──森山大道小論
最初で最後の街──森山大道『Daido hysteric No. 8 1997 大阪』
補正する鏡──アンディ・ウォーホルと写真
都市はマトリクスではない──倉田精二『ジャパン』
純粋な郊外──ホンマタカシ『Tokyo Suburbia』


3 写真の権利について

殺風景のハードコア──金村修《Keihin Machine Soul》
写真という乗物──吉増剛造の写真のための二十の断章
AT LAST I AM FREE──権富問と写真的身体


4 Direct Mails 写真論以後

作者の位置
ファック・ライフ──セルフ・ポートレイト異論
窓を運ぶ──盲目的に
E・A・ポー『楕円形の肖像』を読む
旅行者になる──写真の方法から態度へ
「タイプ」について1──ファン・ゴッホ土門拳
「タイプ」について2──アウグスト・ザンダー
写真を「とる」ということ
羊に育てられて──編集者M氏への手紙

http://www.osiris.co.jp/pl06.html

私、私、私と簡単に口走るな!今、ここの事態とのみ短絡せよ!写真はいつから原初の驚きを捨てて、予定された観念のアリバイ工作としての挿図になり果てたのか。収拾不能な「次元の差異」を抱え、訳の判らない、途方もないものでありながらも、過剰なまでの透明性を備えてもいたメディアであるはずの写真。それがいまや、主題に関する調査結果の披瀝の場としてのみ、流用されているかのようだ…。

http://www.amazon.co.jp/dp/4309903630/
必読本。
文庫化されると良いのですが。


◇ Frank, Robert (ロバート・フランク) / ロバート・フランク:映画とビデオ

横浜美術館の 『ロバート・フランク:ムーヴィング・アウト』 展開催中に同時に催された企画展示の図録小冊子。カサヴェテスの 『アメリカの影』 と並び、アメリカ前衛映画の古典とされる 『PULL MY DAISY』 をはじめ、ロバート・フランクがこれまで手がけた映画作品18本についての詳細データと解説を逐一収録した資料的な価値の高い1冊。表紙に1箇所折れ跡。

http://www.book-oga.com/wimages/robert_frank_films.html


◇ Robert Frank : The Complete Film Works - 傷んだ物体/Damaged Goods

アメリカンズ』初版の発行50周年を迎える今年から来年初頭にワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー・オブ・アートで開催される回顧展に併せていろいろとロバート・フランク関連のリリースがあるようで、中でもドイツのSteidlが進めているThe Robert Frank Projectの内容が突出していて、特にビデオ/フィルムのアーカイブを年代順に全て網羅して3年がかりで全10巻リリース予定のDVDセットが素晴らしい。

http://blogs.dion.ne.jp/orr_dg/archives/6981240.html
『Robert Frank : The Complete Film Works』各巻の収録作品リストあり。