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福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

ヴィターリー・カネフスキー 3本立て特集『動くな、死ね、蘇れ!』『ひとりで生きる』『ぼくら、20世紀の子供たち』@早稲田松竹

◇ 今週の上映作品■2010/7/10〜2010/7/16 - 早稲田松竹

ヴィターリー・カネフスキー
53歳にしてやっと撮ることができた
長編2作目の自伝的作品『動くな、死ね、甦れ!』。
この作品で1990年のカンヌ映画祭カメラ・ドールを受賞。
カメラ・ドール、つまり新人賞。


映画を生み出すまで、人生の長い溜め。
彼は1935年ソ連生まれ。
25歳でモスクワの全ロシア映画大学に入学するが、
在学中に無実の罪で投獄され8年間の獄中生活を送る。
彼の人生は何か狂っている。


「僕は、自分の子供時代を甦らせるため
  現在という時の流れを止めた
  そして止めることは死を物語る
  更にそれをフィルムの中に起こすため
  僕はもう一度甦ったんだ」


なぜ子供時代にこだわり続けるのか。
子供たちの受難を描いた名作は多い。
カネフスキーの映画の少年たちはその中でも異質である。
彼らは悪ぶっているのではない。
完全なる”悪”なのだ。


戯画的な表現の裏に隠された、
不良少年たちの傷つきやすい繊細な感受性。
カネフスキーはそんな彼らを自分自身として見つめている。
そこに描かれているのは自らの過去でありながら、
現在を生きる彼自身の姿だ。
自らも”悪”を生きているという自覚。
そこから世界に向けるまなざしは冷徹で厳しい。

http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/nowshowing.html


ヴィターリー・カネフスキー特集上映公式HP
http://www.espace-sarou.co.jp/kanevski/top.html


YouTube - 映画「ヴィターリー・カネフスキー特集上映」予告編
http://www.youtube.com/watch?v=lgo4QI6m2zs