Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

『視線の権利』(1988年 邦訳)ほか、ジャック・デリダの写真論。

◇ 視線の権利 (哲学 3): J. デリダ, 鈴村 和成, M.F. プリサール - Amazon.co.jp

デリダの写真論『視線の権利』(1985年ミニュイ刊)は、多くの、とりわけ最近の彼の著者がそうであるように、まず翻訳の問題として呈示されている。それは、翻訳ということの可能性、あるいは不可能性と戯れているようである。語の真の意味でのゲームが、翻訳という場、この本の用語を借りれば、チェッカーボードの盤上で、展開され、賭けられ、演じられる、そのなふうに、デリダは彼のフレーズ、構文、対話を編成してゆく。

http://www.amazon.co.jp/dp/4886790240


◇ 出版目録 - 哲学書房

【季刊哲学3号】
視線の権利
J. デリダ ほか 著

見ることの権利とは他者を発明することだ。写真が表象するものを、ではなく写真そのものの構文や連鎖を解くデリダの百頁のテクストと、言説や法の猥褻な本質に関するパフォーマンスとしてのプリサールの百頁の写真。これは百の升目、黒と白の基盤上に展開するゲームだ。バルトの『明るい部屋』にも言及してこれを越える、デリダ初の本格的写真論。


定価1900円(税別)
120頁
A5版
1988.7. 初版発行
ISBN4-88679-024-0
哲学

http://www.tetsugakushobo.com/lists/09_kikan.html


◇ 商品詳細|視線の権利 ― 季刊哲学3号/vol・II-3 SPECIAL ISSUE - MILBOOKS -online book seller-

[監編著訳] J・デリダ M-F・プリサール(著者) 鈴村和成(翻訳) 
[発行所] 哲学書房 
[発行年] 1988年
[構成数] 1冊
[サイズ] A5
[ページ数] 200P
[コメント] 本書は、哲学者ジャック・デリダ(1930-2004)にとって『絵画における心理』(1998 法政大学出版局)、『アルトーデリダ デッサンと肖像』(1992 みすず書房)などとならぶ写真/美術論。デリダ見ることの権利とは他者を発明することだ。写真が表象するものを、ではなく写真そのものの構文や連鎖を解くデリダによる100ページのテクストと、言説や法の猥褻な本質に関するパフォーマンスとしてのプリサールの100ページの写真。バルトの『明るい部屋』にも言及してこれを越えるデリダの視線。

[目次・構成・収録内容(抜粋)]
写真 マリ=フランソワ・プリサール
シナリオとモンタージュ プノワ・ピーターズ/マリ=フランソワ・プリサール
モデル ジーン・フォン・ベルク/ブリジット・スマーグ/アン・ホーマン/マリ=シーニュ・ルドゥ/ハリー・クレブン/
マリ・リュース・ボンファンティ/アレディス・デルフォルジュ/ファニー・ロイ
解説 ジャック・デリダ

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デリダ「視線の権利」について再び - こころはどこにゆくのか?

この、雑誌「哲学」(哲学書房刊)の出した特別号('88年8月特別号、二巻3号)は、100ページの写真(ロマン・フォトという手法…写真で構成された台詞のない物語。分かりやすく言えば写真で描いた台詞のないマンガですね。*1)と100ページの論考で描き出されるデリダの視線論…というふれこみなんですが、その前半の100ページの『ロマン・フォト』の構成を見ていると「??」となることが。

http://d.hatena.ne.jp/jo_30/20060422


ジャック・デリダ『留まれ、アテネ

〈私は、ジャン=フランソワ・ボノムからこれらの写真を受け取って以来、それらを抱えてギリシャを旅していた。(…)私は門外漢の気安さで、すでに写真との接触を始めていたが、そこには魅惑、嘆賞、驚愕の気持ち、またとくに自分のテクストがとりうる形態にかんするあらゆるかたちの不安な問いかけが、渦巻いていた。知らないうちに、まだ一文も書いていないのに、私はその七月三日という日に、テクストの形態が、警句的な文章が連続するようなかたちになると、決めていたはずだ。そうすれば、白と黒・光と影と戯れながら、〈視点〉や〈見地〉を分散させることができるだろう――それらを分離的シークエンスのうちに統合するように見せかけながら〉


写真という芸術じたいがすでに、死と不可分の関係にあるのではないだろうか?――古代から近代にかけ無数の死を堆積させてきた「死の都」アテネの断片を写しとった写真たちに導かれ、哲学者はその地を訪れる。町を彷徨い、「見る者」と「撮る者」の見地を往ったり来たりしながら、写真という近代的装置=仕掛けと遅延、そこに写っているものの存在と死、そして「喪の作業」をめぐる思索に立ち止まり、焦点を合わせる。旅のスナップショットのように書き留められた異形の都市/写真論。

http://www.msz.co.jp/book/detail/07496.html

内容紹介
写真という芸術は、死と不可分の関係にあるのではないか?
遅延、喪…デリダ固有の思索が戯れる異形の都市/写真論。
内容(「BOOK」データベースより)
光と影に刻まれた都市を彷徨い、遅延、死、喪をめぐる思索に立ち止まる。スナップショットのように書き留められた異形の都市/写真論。

http://www.amazon.co.jp/dp/4622074966


http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%CE%B1%A4%DE%A4%EC%A1%A2%A5%A2%A5%C6%A5%CD

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◇ Athens, Still Remains: Jacques Derrida, Pascale-Anne Brault, Michael Naas - Amazon.co.jp

ペーパーバック: 88ページ
出版社: Fordham Univ Pr (2010/8/16)
言語 英語, 英語, 英語
ISBN-10: 0823232069
ISBN-13: 978-0823232062
発売日: 2010/8/16

http://www.amazon.co.jp/Athens-Still-Remains-Jacques-Derrida/dp/0823232069
この本の翻訳に関しては、日本のほうが先行していたようです。


◇ Copy, Archive, Signature: A Conversation on Photography: Jacques Derrida, Jeff Fort - Amazon.co.jp

ペーパーバック: 112ページ
出版社: Stanford Univ Pr (2010/8/18)
言語 英語, 英語, 英語
ISBN-10: 0804760977
ISBN-13: 978-0804760973
発売日: 2010/8/18

http://www.amazon.co.jp/Copy-Archive-Signature-Conversation-Photography/dp/0804760977

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>>>ジャック・デリダ──他者への現前 教育者として、被写体として、絆として(ジュンク堂書店新宿店 2008年4月24日)
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20090330#p5