Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

奥村雄樹「くうそうかいぼうがく・落語編」@MISAKO & ROSEN

8月22日(日)〜9月19日(日)

オープニングレセプション(サンデーブランチ) 8月22日(日)12:00-17:00
[ 落語 家笑福亭里光氏による演目 ]
1日2回公演:第1回 13:00/第2回 15:00
(公演中の20分間はギャラリーへの入場、電話応対ができなくなります。
開演10分前にはお越し下さい。)
問い合わせ:MISAKO & ROSEN 03-6276-1452

「くうそうかいぼうがく・落語編」について 奥村雄樹
今回僕は、子供のころ「まんが日本昔ばなし」で見て衝撃を受け、以来ずっと心に残っていた昔話「善兵衛ばなし」に取り組むことにした。
この昔話では、現実には「ありえない」解剖学的な構造に基づいて、知覚の対象が空高くまで遠ざかったり、逆に極限まで近づいて体内へと裏返ったりする。それが子供心に衝撃的だったのは、大げさに言うと、僕自身のふだんの体感を振り返ったときに、ふつうに「ありえるかも」と納得できたからかもしれない。なんせ僕は、自分の体の解剖学的な構造を直に見たことがなかったのだから。今もないけど。
ところで、落語にも荒唐無稽な解剖学的構造を扱った演目は数多い。「犬の目」「頭山」「首提灯」など。落語で実際に目の前にあるのは、座布団に固定された噺家の身体だけ。この形式それ自体が、言葉(物語)の上でのみ可能なありようを表現するのに適しているのだろう。僕たちの素朴な実感として「あり」であるかぎり、落語はどんな身体構造もいきいきと描き出すことができる。
だとしたら、「善兵衛ばなし」を落語に変換するとどうなるだろう。この思いつきを出発点に、今回のプロジェクトは始まった。笑福亭里光さんという素晴らしい噺家さんとの出会いもあった。僕たち人間の素朴な実感において、身体の構造というものがいかにゆるい可変性を持っているのか。笑いをもたらすと同時に、このことを浮き彫りにする作品になるといいなと思う。

http://www.misakoandrosen.com/exhibitions/10/06/
http://www.misakoandrosen.com/artists/yukiokumura/
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本日オープニングです。


Yuki Okumura | 奥村雄樹
http://www.yukiokumura.com/


※過去の奥村雄樹さん関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%B1%FC%C2%BC%CD%BA%BC%F9