Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

再録(http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070728#p6)

■杉本拓 CD『Live in Australia』ライナーノート(2004年7月)

「音は正直だ」とか「自己超越としての表現」とか「聴覚を研ぎ澄ます」、「空間的」だのの実際は何を言っているか分からない「言葉」の一群があって、これらはある種の音楽と対応しています。すべてではありませんが、「即興演奏」──以下、私の扱う問題は即興とその周辺に関してのものです──と言われるものの多くは特に、これら「何を言っているか分からない言葉達」との格闘から逃れることが困難になっています。これらの「言葉」の示す特徴が即興界の微妙なジャンルを規定しているわけです。だからどんなことをやっても、結局そういうものになってしまう。言葉や言語から「音」を引き離す、実はこれ結構難しいんです。完全にそれをおこなうことは多分不可能でしょう。ならば、言葉や言語化を戸惑わせたり、ためらわせたり、つまずかせたり、突き放したり、つまりお互いがリッチになるような関係、そういうのを発見すべきなのかもしれません。

http://www.japanimprov.com/indies/imj/liveinaustralia/notes-j.html


大友良英のJAMJAM日記別冊 連載「聴く」第12回
http://www.japanimprov.com/yotomo/yotomoj/diary/diary-kiku13.html


◇ 沈黙の哲学について  2005年11月29日 杉本拓
http://www.japanimprov.com/tsugimoto/tsugimotoj/essay3.html