「おせちのクーポンは、通常の審査基準でちゃんと審査をしたうえで販売した。500枚という販売枚数も、提供した店舗と合意のうえで決めた数字。(グルーポン・ジャパンが)勝手に決めて売るなんてことはあり得ない。しかし今回、店舗の生産能力までは見抜けなかった」――。
クーポン購入者から「中身がスカスカのおせちが届いた」として苦情が殺到し、正月からインターネット上やマスメディアをにぎわせた「おせち騒動」。クーポンを販売したグルーポン・ジャパン(東京・渋谷)の渡邉卓也執行役員は、好調な業績に水を差す失態に悔しさをにじませた。
「12月31日着、ワイン・シャンパンに合うお節33品、配送費込。定価2万1000円のところ、50%OFFの1万500円でご堪能いただけます!」。グルーポンのサイトでそう謳(うた)われていたが、ふたを開ければ食材がぎっしりと詰まった豪華な見本とは似ても似つかぬ中身。しかも、元日以降に遅配されたところもあり、購入者からは怒りの声が噴出した。
量や見た目もさることながら、「傷んでいた」「広告に記載されていた産地と違う」との声も。食品衛生法違反や日本農林規格(JAS)法違反などの疑いもあるとして横浜市が立ち入り検査に入り、さらに消費者庁や農林水産省も調査に乗り出す事態へと発展した。そして約1カ月後、グルーポンは一部の事実を認める。