Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

平倉圭『ゴダール的方法』刊行記念レクチャー -

平倉圭 「形式の摩滅──ロバート・スミッソン」

2011年3月21日(祝)16:00〜

料金:1,000円 定員25名  ※要予約

レクチャー概要

 芸術作品を「理解」するとは、作品からパターンを抽出することだ。だがそのパターンは、抽出元である作品の物質性と二重化されていて、物質の細かさ・複雑さの方へとたえず引きずられ、崩れ落ち続けている。パターンを抽出する私の心(mind)もまた、物質の方へと砕けている。芸術経験につきまとう、この二重性について考えること。パターンを認識する私の摩滅について考えること。
 物質は思考するのか? それがロバート・スミッソン(1938-73)の問いである。泥は思考する。石は思考する。それはアニミズムの類では決してない。物質は、その根底において言語である。だがそれはいかなる意味で言語なのか。石をドローイングしたり、写真に撮ったり、集めたりすることは、その言語とどういう関わりを持つ行為なのか。スミッソンのテクスト、写真、彫刻、ドローイング、そして映画を横断的に分解しながら考えていく。(平倉圭


平倉圭ゴダール的方法』(インスクリプト、2010年)

ハイ・レゾリューション・ゴダール
その音‐映像を0.1秒オーダーで注視せよ。高解像度の分析によって浮かび上がる未聞のJLG的映画原理。映画史=20世紀史を一身に引き受けようとするゴダールは 、映画に何を賭しているのか? そして21世紀のゴダールはどこへ向かうのか? 映画論の「方法」を更新する新鋭の初単著。ゴダールとともに、知覚経験の臨界へ!(帯文より)


企画者より

 書物『ゴダール的方法』の前身をなした連続講座「ゴダール・システム」から4年。映像/音に徹底的に内在すること、そしてそのとき抽出される「パターン」をパフォーマティヴに呈示すること──これが『ゴダール的方法』の「方法」です。その本の冒頭ちかくの註に、ある美術家が登場しています。ロバート・スミッソン(Robert Smithson)。今回のレクチャーでは、スミッソンの「パターン」を「マテリアル」へ向けて解体します。その試みはじつのところ、『ゴダール的方法』の論理をみずから逆撫でするものとして、逆走的展開を見せることになるはずです。ゴダールからスミッソンへ、photographers' galleryにてふたたび。ご期待ください。(編集者・中村大吾)

http://www.pg-web.net/documents/event/2011/hirakura/index.html


平倉圭 hirakura kei
http://hirakurakei.com/


>>>平倉圭×國分功一郎×千葉雅也「ドゥルーズ・映画・ゴダール」2011年1月22日 - ジュンク堂書店Podcast
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20110208#p5


※過去の平倉圭さん関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%CA%BF%C1%D2%B7%BD