Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

山積み焼却灰に困惑 進まぬ国の対応 - 中日新聞 2011年6月10日

 「野ざらしだけは避けたい。国には早く処理基準を決めてほしい」。県下水道公社が運営する千曲川流域下水道上流処理区終末処理場(長野市)の担当者は、積み上がった焼却灰を前に険しい表情を浮かべた。

 この施設では5月、焼却灰から1キロ当たり3000ベクレルの放射性セシウムを検出。その後の検査で数値は下がり、保管場所近くの空間放射線量も人体に影響ないとされるレベルを計測したが、出荷はストップしている。

 1日ごとに出る焼却灰の量は1・5トン。公用車駐車場など3カ所の屋内スペースに30トン以上が山積みとなっており、今週中に埋まる計算だ。

 敷地内の未使用施設に数十トン分の空きを確保したものの、クレーンでの搬入作業が必要な場所のため、手間や相当額の経費もかかってしまう。

 こうした中で県は5月24日、国土交通省など3省に、処理方法の提示や国と東京電力の財政負担などを要望。関東地方の各都県も同様に要望しているほか、下水汚泥から放射性物質を検出した各自治体も国の動向を見守っている。

http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20110610/CK2011061002000114.html


放射性物質で再利用断念 - YOMIURI ONLINE(読売新聞) 2011年6月10日

 水戸市など9市町村の下水を処理する県の那珂久慈浄化センター(ひたちなか市)。敷地内には汚泥が野積みされ、焼却灰が詰まった袋が約2メートルの高さに積まれていた。永井良一所長は「放射能の対応を迫られるなんて想像もしなかった。安全だと判断できない限り、敷地外に搬出できない」とため息をつく。

 同センターによると、5月3日に採取した汚泥から1キロあたり493ベクレル、焼却灰から同1万7020ベクレルの放射性セシウムが検出された。通常はセメントに再利用するため、民間業者に処理を委託しているが、7日から敷地外への搬出をすべて中止。1日当たり50〜60トンの汚泥が発生し、敷地内に保管されている量は汚泥が約1600トン、焼却灰が約340袋分の計約170トンに上る。

 市内に3か所の下水処理場がある常総市もこれまで、汚泥を堆肥やセメントに再利用してきた。しかし、委託業者が「安全性が確認できなければ、堆肥やセメントにしても販売できない」と受け入れを中断。当初は処理場内で保管を続けていたが、保管場所がなくなり、今月7日から埋め立て処分を行う別の業者に搬出を委託している。市の担当者は「従来のリサイクルより2倍近い委託料がかかる」と頭を抱える。

 守谷市も、同様の理由でリサイクルを委託していた業者が受け入れをやめたことから、埋め立て処分に変更した。委託料は割高になり、「安全だと判断できればリサイクルを再開したい」と、早期に安全基準が示されることを望む。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20110610-OYT8T00094.htm