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福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

「愛知県美術館[試験運用中] @apmoa と館長 @masa7878」 - Togetter

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ミュージアムと指標 | blog - Toshiro Mitsuoka

二年目に入って最初のポスト。最近、twitter上でたまたま何人か学芸員の方が、ミュージアムを指標で測定することに対する違和感をコメントしていらしたので、それについて僕が感じていることをボソボソと。


この件で一番代表的に取り上げられるのが「美術館を来館者数で評価すること」への違和感であろうと、この10年ぐらい見ていて思う。ここでまず必要なのは、「ミュージアムを来館者数で評価することへの違和」と「ミュージアム定量的に評価することへの違和」がベッタリ張り付いていることが多いことに自覚的になることだと思う。否定的な方も、多くの方が来館者数「だけ」による評価はおかしいという限定をつけているので、来館者数も評価の指標の一つとして認めているのだとは思うが、僕個人は「来館者数」は評価指標として重要だと考えている。美術や科学に関心を持ってくれる方の確率がゼロではない限り、論理的には母集団を拡げた方が今後このような領域に進む方が増えるわけで、この点では少ないより多い方が基本的には望ましいと思う。


引き続き「定量調査に基づく評価への違和感」に関してだけれども、これは定量評価の目的によって異なる態度をとることになるのではないかなと思っている。ということで、行政による公的な文化施設の評価として定量調査の評価は妥当かという文脈に関しては、もし美術館なり博物館が「ミュージアムには定量調査はそぐわない」と考えて違和感を感じているのであれば、これは僕はまずいと思っている。というのも、行政側はミュージアムに対して、行政の領域において意味を持つ指標をミュージアムに提示して欲しいといっているわけで、もともと来館者数や収支だけを求めていたわけではないと思うのだ。どちらかというと、定量的な指標がそぐわないというよりは、今まで来館者数や収支といった指標が主流になってしまったというこれまでの経緯において、評価する行政側、評価されるミュージアム側両者の想像力の欠如が問題だったのだと思う。

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