Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

「若者は夢を持つな」と監督が言った - 小原篤のアニマゲ丼 - 映画・音楽・芸能 - asahi.com(朝日新聞社)

 腑(ふ)に落ちる、という言葉がありますが、先日東京芸大で行われた押井守監督の講演を聴き、ストンと腑に落ちる発言がありましたのでご紹介しましょう。押井監督の「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」(1995年)で言及される「ゴースト」とは何か? 「スカイ・クロラ」(2008年)というお話はどうして救いがないのか? それが分かった(と思った)のですが、ご興味あります?

 「攻殻アメリカとヨーロッパで受容のされ方が違う。ヨーロッパではオリエンタリズム、新たなサイバー・オリエンタリズムとして受け止められた。カンヌ映画祭(『イノセンス』がコンペ参加)やベネチア映画祭(『スカイ・クロラ』がコンペ参加)がなぜアニメを招聘(しょうへい)するのか? 学問や文芸の世界と同様に『周辺の文化』として参照しているに過ぎない。ギリシャ・ローマ的な、あるいはキリスト教的な『正統』とは異なる、『辺境』の文化・思想と見られている。一方のアメリカでは、攻殻は『ヤッピーの玩弄(がんろう)物』。やたら強い女性が哲学を語りながらマシンガン打ちまくるのがクールだ、と。ドラマや思想は関係なくて、ナイトクラブで繰り返し上映したりする。これはアメリカ流のグローバリズムみたいなもので、ヨーロッパ(のアカデミズム)と同様、両者とも自分たちの価値観から外側を語っているに過ぎない」

http://www.asahi.com/showbiz/column/animagedon/TKY201111200107.html