Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

[翻訳]「ショウマン-アーティスト カスパー・ケーニッヒ インタビュー」ノエミ・スモリク - 芸術係数blog

カスパー・ケーニッヒ(ルートヴィヒ美術館館長)の1994年のインタビューです。タイトルでもわかる通り、インタビュアーはキュレーターであるケーニッヒをアーティストとして(皮肉も含めて)見ているようです。インタビューの中でも触れられていますが、ケーニッヒはアート界でのキャリアをアメリカやカナダでスタートさせ、その後ドイツに戻りデュッセルドルフのアート・アカデミーでパブリック・アートの学科を設立。1988年にはフランクフルトのシュテーデルシューレ芸術大学の学長に就任し、同時に大学付属ギャラリーのポルティクスで数多くの展覧会を企画。2000年に現職に就き、2009年に2012年11月までの任期で契約を延長しています。上記のアカデミックな活動と平行して数多くの展覧会を企画したキュレーターでもあります。ヨーロッパのアートシーンにおけるケーニッヒの最大の功績は北米のコンセプチュアリズムを実践のレベルでヨーロッパに移入したことでしょう。とりわけその影響はフランクフルト近代美術館(MMK)のコレクションに見て取ることができます。
インタビュー中最も興味深いのは「ドクメンタ」展について話している箇所ではないでしょうか。同展が戦後ドイツの政治的状況(東西の分割)を背景に持つことはよく知られた事実ですが、ケーニッヒはその意義を「フランスやアメリカ(つまり戦勝国)のコスモポリタニズムの擬装」にあると指摘しています。それによって未来への希望を失ったドイツの若者たちに未来を示すことができるのだと言います。この発想は、政治的、社会的問題それ自体を熟議によって解決することよりも一つのビジョンを示すことによって共感の力を呼び覚ますという選択に基づいているのではないかと思います。
原文はThe show man – interview with artist Kasper Koenig – Interview

http://gjks.org/?p=1786


◇ マイク・ケリー インタビュー1/4 - 芸術係数blog

“Mike Kelley / Interview 1 of 4″に日本語字幕を付けました。
翻訳は辻憲行 (twitterID=nori_1999)
芸術係数(http://gjks.org
元の動画はこちら

http://gjks.org/?p=1700