Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

田中功起さんのあの作品は、細馬宏通さんの感想がそもそものきっかけ?なんでしょうか?

◇ HOSE 1stアルバム - Beach Diary (よりぬき)

一曲めから、やらねばならぬことだけをやっている。

 途中から音量を上げて聴く。三三七拍子のあとに鳴らされる泉くんのベースが、部屋を揺らす。まるで部屋がまるごと巨大な点取り占いと化したように、一度一度異なる託宣に震えている。それがずっと続く。

 常識的に考えれば、この気が遠くなるような繰り返しを傾聴することに、人は耐えられるはずがない。演奏する方だって耐えられるはずがない。あまりの荒行に、トランペットのアンブシェアが崩れていくのがわかる。演奏者自身がおかしさに負けて落ちていく。なのに、三三七拍子だけが残っている。国破れて山河あり。三三七拍子の前に、人の生のなんとはかないことだろうか。

 アルバムは、そのような酷薄さと生のいいわけに満ちており、生活が肯定されようとするときには、なぜか三三七拍子が鳴る。生活が否定されようとするときには、珍妙なリズムが鳴る。立ち上がろうとするときには椅子が鳴る。意外にも美しいメロディが漏れる。それは、人の力ではどうにもならない。

 既成の音楽からすれば、あまりに罰当たりで破壊的な内容ではある。けれども、じつは罰当たりなのは、人の力で音楽はどうにかなると思っている既成の音楽家のほうではないか。

 音楽は人の力ではどうにもならない。

 とんかつは人の力ではどうにもならない。

 とんかつを揚げるのは油。油で揚がるのだ。HOSEのアルバムは、そのことに、とても律儀だと思う。

http://d.hatena.ne.jp/kaerusan/20070629


田中功起『トンカツに聴かせたいミュージック(ドキュメント)』上映 - ART iT アートイット

「MOOSIC LAB」特別招待作品
『トンカツに聴かせたいミュージック(ドキュメント)』
2010 | 監督・編集:田中功起|音楽・出演:HOSE|撮影:松平直之(DENBAK-
FANO DESIGN)、徳永利行(DEEPBLUES)|録音:宇波拓|製作:新潟市美術館|HD|31分

http://www.art-it.asia/u/admin_ed_pics/RdVSxBeFYJlKsEnXQag0/?lang=ja


◇ Blog Archive » トンカツ映画 - ホース HOSE

新潟の某トンカツ屋でのHOSEによる生演奏とベーシストの胃袋に収まる崇高な1食のトンカツ定食を見つめる2台のカメラ。映像と音楽が一体となって虚しさと滑稽さを奏で、やがて食欲と哀愁を喚起する。*告知案内WEBより抜粋。

http://hose.hibarimusic.com/?p=325

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>>>HOSE『HOSE』
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070702#p3


>>>ホース HOSE >> Text
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070718#p4


>>>HOSEと宇波拓さんのライブ映像
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20080212#p4

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>>>正露丸チャルメラ、三三七拍子。

Miles Davis 'Saeta' (Sketches of Spain)
 http://www.amazon.co.jp/dp/B000002AH7
This Heat 'Hi Baku Shyo' (Deceit)
 http://www.amazon.co.jp/dp/B000H9HXFO
◇ HOSE 'a thing that is not as it has been used to be' (HOSE)
 http://www.amazon.co.jp/dp/B000RE61KC

http://d.hatena.ne.jp/n-291/20080218#p1