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福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

フランスの大学入試=バカロレア始まる:この哲学の問題、解けますか? - French Bloom Net : 映画、音楽、政治、文化、アート、ビジネス、ライフスタイル・・・ フランスを切り口に現在を垣間みる共同ブログ

今年出題された文科系の問題のひとつは、”Le langage n’est-il qu’un outil ?”(言語は道具に過ぎないのか?)。まさにグローバリゼーションの波に抵抗しきれず大学の授業の英語化に舵を切ったフランスが自問しているかのような問題だ。


テレビのニュースでは日本とは異なる受験風景が映し出されていた。受験室ではカンニングを避けるためにバッグを部屋のすみに置き、筆記用具だけを用意する。なぜか食べ物の持込はOKで、受験生のひとりはオレンジジュース、菓子パン、バナナを持ち込んでいた。朝の7時45分に席につき、8時から試験が始まる。正午までの4時間の長丁場だ。


フランスでは高校3年の時点で哲学が必修科目になる。文科系の生徒は週8時間、経済社会学系は週4時間、理科系は週3時間、技能系でも週2時間の受講が義務付けられる。その成果がバカロレアで問われるのだ。ヨーロッパ全体を見てもフランスほど徹底的に哲学教育をやっている国はない。映画だけでなく、哲学もまた「フランス的例外 exception française 」なのである。


この哲学の試験を創設したのは他でもないナポレオンである。それは1808年にまでさかのぼる。哲学を深く学ぶことで人はより自由に思考することができる。そして自由な思考こそが人間をより自由な存在する、とナポレオンは考えた。こうした哲学教育こそが理想のフランスを築くのだ。またテレビである哲学者が、フランスの哲学教育が目指すのは知的親権解除=自立 une émancipation intellectuelle による未来の市民の養成であり、これが民主主義の基盤となると断言していた。

http://www.frenchbloom.net/2013/06/22/2058


◇ 仏バカロレア、52歳母親が高校生娘の身代わり受験 国際ニュース - AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2951774/10942332