Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

空から見た東北 ー集落景観の記録写真 | 東北文化研究センターアーカイブス

http://blog.tuad.ac.jp/airphoto/

 東北芸術工科大学東北文化研究センターでは、平成24年度(2012年度)より文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の採択を受け「環境動態を視点とした地域社会と集落形成に関する総合的研究」(詳しい内容はこちら)を実施しています。本アーカイブスで公開している写真は、本研究プロジェクトの一環としてすすめている「空から見た東北」という研究活動において撮影されたものです。
 集落およびその周辺に広がる景観は、人々の自然利用や生業形態といった、その地域の暮らしを理解する手がかりとなります。どのような形の家屋が、集落内でどのように並んでいるのか。河川(沢)や道はどこを通っているのか。神社やお寺はどこにあるのか。どのような形の田畑が集落のどこに拓かれているのか。そして、その周りにはどのような森林が広がっているのか―。
 もっとも地面に立って集落を見渡しても、家屋の一軒一軒が見えたり、田んぼの一画が見えたりするだけで、こうした集落の“全体像”をつかむのは難しいでしょう。高台に登ったり、あるいは鳥のように空から眺めてみたりすることで集落全体の景観を俯瞰することができるのです。東北地方の山間部、平野部、沿岸部に広がる様々な集落を対象とし、集落全体の景観が分かる写真を撮影し、それらをもとに統計データなどでは窺い知ることのできない生業形態の変化を探る。そして、東北地方の農山漁村のこれからを考える資料としてこれら記録資料の活用を図る。これが「空から見た東北」の目的です。
 現在、震災復興や過疎・廃村化の継続的進行に伴い集落再編や地域再生のあり方が様々な分野で議論されています。そうした問題を考えるに当たり、まずは集落の現状を把握することが不可欠となります。本アーカイブスの資料を、地域の「今」を知り、これからを考える素材の一つとしてお役立て下さい。

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