興福寺法相宗(ほっそうしゅう)興隆に貢献のあった学僧の肖像(しょうぞう)彫刻で、南円堂八角形須弥壇(しゅみだん)周囲に安置されていました。
礼盤(らいはん)上に常騰像と善珠像は趺坐(ふざ)、玄纊像と玄賓像は跪坐(きざ)、神叡像と行賀像は立膝します。いずれも髪を剃り、衲衣(のうえ)の上に袈裟(けさ)をかけます。玄纊像のみが外縛印(げばくいん)を取る他は、柄香炉(えごうろ)を持つ供養僧の姿です。各像は老年、壮年、若年にあらわし、表情にもそれぞれ変化を持たせ、体の肉づきや袈裟(けさ)、法衣の衣文線など繁雑に彫り出します。本尊と同じく仏師康慶と、その弟子達が文治5年(1189)に造ったものです。
http://www.kohfukuji.com/property/cultural/107.html
興福寺(こうふくじ)は、奈良県奈良市登大路町(のぼりおおじちょう)にある、南都六宗の一つ、法相宗の大本山の寺院である。南都七大寺の一つに数えられる。藤原氏の祖・藤原鎌足とその子息・藤原不比等ゆかりの寺院で、藤原氏の氏寺であり、古代から中世にかけて強大な勢力を誇った。南円堂は西国三十三所第9番札所である。「古都奈良の文化財」の一部として世界遺産に登録されている。