Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

ソースティン・ヴェブレン - Wikipedia

  • ヴェブレンの、自分が生きた時代への批判は、マルクスとは異なった視点からの現代産業社会への分析となっている。
  • 1899年の最初の著作『有閑階級の理論(The Theory of the Leisure Class)』では、いわゆる「金ぴか時代」(Gilded Age)の富豪たちの生活様式が人類学の言葉で説明され、彼らの邸宅・贅沢な調度品とパーティー・豪華な衣装は、野蛮人たちのポトラッチ・羽根飾り・狩猟・祭祀と同列に見なされている。ヴェブレンの超然とした記述は、客観的で抑制されているだけ、皮肉を鋭く感じさせる。この本が当時の読書界に反響をおこしたのは、『誇示的消費(衒示消費、Conspicuous Consumption)』『誇示的余暇(衒示余暇、Conspicuous Leisure)』『金銭的競争(Pecuniary Emulation)』『代行消費(Vicarious Consumption)』などの新奇で印象深い用語とともに、こうした特異な文体に負うところが大きい。さらにヴェブレンが「見せびらかし」と断じた奢侈や余暇は、悪趣味と怠惰の汚名をかぶり、アメリカであからさまには享受できなくなってしまった。
  • ヴェブレンは『営利企業の理論』(1904年)において、現代の産業を二分して分析している。すなわち、物を作る目的の産業(Industry)と、金儲けの手段としての営利企業(Busines)との二分である。ビジネスは産業を推進せずに、むしろ産業を侵食していくというのが、ヴェブレンの資本主義論である。
  • 『技術者と価格体制』(1921年)では、さらに進んで技術者の集団(Technocrat)のソヴィエトによって、生産を統制すべきであると主張した。社会資本は決して利潤追求の対象として市場の条件によって左右されてはならない。社会資本の各部門は、専門的知見にもとづき管理されなければならない。このような具体的な提言は、ヴェブレンの抱いていた急進的な改革思想をもっともよくあらわす。さらに、後のアドルフ・バーリやガーディナー・ミーンズによって採りあげられた「所有と経営の分離」の問題(1932年)が、すでにこの本で提出されている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%B3


◇ ソースティン ヴェブレン『有閑階級の理論―制度の進化に関する経済学的研究』(訳:高哲男 ちくま学芸文庫
http://www.amazon.co.jp/dp/4480084169


◇ 有閑階級の理論 / ソースティン・ヴェブレン 著, 高 哲男 著 - 筑摩書房

この本の内容
制度の進化論的プロセスを記述して、ガルブレイスなどに大きな影響を及ぼし、現代の経済人類学・消費社会論的思考の先駆者業績ともなった、ヴェブレンの主著の画期的新訳。


この本の目次
第1章 序説
第2章 金銭的な競争心
第3章 顕示的閑暇
第4章 顕示的消費
第5章 生活様式の金銭的な標準
第6章 好みの金銭的な規準
第7章 金銭的な文化の表現としての衣装
第8章 産業からの免除と保守主義
第9章 古代的特質の保存
第10章 現代における武勇の存続
第11章 幸運を信じる心
第12章 信心深い儀式
第13章 競争心にもとづかない関心の存続
第14章 金銭的な文化の表現としての高等教育

http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480084163/


橋本努・講義「経済思想」ヴェブレン「有閑階級の理論」
http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/Resume%20on%20Veblen%20Leisure%20Class.htm


◇ 有閑階級の理論
http://note.masm.jp/%CD%AD%B4%D7%B3%AC%B5%E9%A4%CE%CD%FD%CF%C0/