これらすべての仕掛け人とも言える存在が、パリ第3大学のフィリップ・デュボワである。もはや写真論の古典的名著と言ってもよいL'Acte photographique (1982, 90)のあと単著を出していないせいか、あるいは名前がありふれているせいか、彼の仕事は日本ではあまり知られていないように思うが、現在のフランスの映像研究の分野における最も優れた知性の一人と言っていいだろう。編著であるLe cinéma et la dernière technologie (1998)や、Recherches sur Chris Marker (2002)も非常に質の高い仕事である(特に後者に含まれている『ラ・ジュテ』論は圧巻だ)。サン・パウロではCinema, video, Godard (2004)というデュボワの論文集がポルトガル語に訳されて出ているが、フランスでもようやくこの秋に、La Question Video: Entre cinéma et art contemporainという16章から成る大部の論文集がYellow Nowから出版されることになっているという。
http://d.hatena.ne.jp/tricheur/20100717/1279318914
◇ L'Acte photographique et autres essais. Philippe Dubois - Decitre - 9782091907666 - Livre
http://www.decitre.fr/livres/l-acte-photographique-et-autres-essais-9782091907666.html
>>>[資料] 20131108
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20131108#p6