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田中 功起×清水 知子 『必然的にばらばらなものが生まれてくる』(武蔵野美術大学出版局)刊行記念 トークセッション - YouTube

2014/11/25収録


田中 功起(著者・現代美術家
清水 知子(筑波大学大学院准教授(比較文学・文化理論))


 第55回ヴェネチア・ビエンナーレ(2013)日本館代表アーティストとして特別表彰­を受賞した田中功起さんと、筑波大学大学院准教授で比較文学・文化研究者の清水知子さ­んによるトークセッションです。
 はじまりは、「清水知子さんと、アートの公共性/社会の中でのアートというテーマで話­したい」という田中さんのひとことでした。清水さんはスラヴォイ・ジジェクやアントニ­オ・ネグリなどの文化理論や、英国現代文化、アニメーション等の現代文化比較研究を専­門とし、『文化と暴力―揺曳するユニオンジャック』(月曜社)を昨年上梓されました。­〈サッチャー政権以後の「社会のない社会」と呼ばれた時代を、人びとはどのように生き­、そこから何を生み出したのか〉。
これは『文化と暴力―揺曳するユニオンジャック』の帯文です。
 田中さんは、根源的な制度への疑いは一貫し、その一貫性を保とうとすれば必然的にばら­ばらなものが生まれてくる(本書259頁)と言います。
 田中さんと清水さんのトークセッションは、平熱で沸騰するような刺激的な時間となるで­しょう。


【講師紹介】
田中功起(たなか・こおき)
2000年、東京造形大学美術科絵画専攻卒。2005年、東京藝術大学大学院美術研究­科修士課程修了。ロサンゼルス在住。田中功起は日常のシンプルな行為に潜在する文脈を­、映像やパフォーマンスを通じて、視覚化、分節化する実践を試みる。
第55回ヴェネチア・ビエンナーレ特別表彰を受賞した日本館展示「抽象的に話すこと―­不確かなものの共有とコレクティブ・アクト」もまた日常性から東日本大震災を問うもの­だった。同国際展以降も、『映画をめぐる美術―マルセル・ブロータースから始める』(­京都国立近代美術館東京国立近代美術館)やフリーズ・ニューヨークのプロジェクツの­ほか、ロンドンの現代美術センター(ICA)で開催中の企画展『Journal』、フ­ァン・アッベ市立美術館(アイントホーフェン)で開催中の企画展『Positions­-Five projects in dialogue』への参加と活動の幅を広げている。
 また、Art Review Asiaへのインタビュー掲載時にテキストを用いた「インポッシブル・プロジェクト」­を誌上およびインターネット上で展開するなど、従来の物理的な展示空間に限定されない­活動も積極的に行なっている。2014年7月5日ドイツ銀行グループの「アーティスト­・オブ・ザ・イヤー2015」に選出されたが、それは、現在の美的および政治的な試み­における重要な問題のひとつである「共同体の形成」に対する独創的なアプローチが評価­されたもので、来年3月からベルリンのクンストハレで個展が開催される。


●清水知子(しみず・ともこ)
2001年、筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了。博士(文学)。現在、筑波­大学大学院准教授。専門は、比較文学・文化理論、メディア文化論。『文化と暴力―揺曳­するユニオンジャック』(月曜社、2013年)共著に『ドゥルーズガタリの現在』(­平凡社、2008年)ほか。訳書にデイヴィッド・ライアン『9・11以後の監視』(明­石書店、2004年)、スラヴォイ・ジジェクジジェク自身によるジジェク』(河出書­房新社、2005年)、ジュディス・バトラー『自分自身を説明すること』(共訳、月曜­社、2008年)、同『権力の心的な生』(共訳、月曜社、2012年)、ネグリ+ハー­ト『叛逆―マルチチュードの民主主義宣言』(共訳、NHKブックス、2013年)ほか­。

http://youtu.be/fwPrKn0M598