2016-02-11 “たとえば十八世紀後半にディドロがユベール・ロベールの「廃墟画」を見て感じ取った崇高さの影は微塵もない。廃墟というトポスは、一切の栄華を荒廃に導く時の巨大な力を人に否も応もなく感じさせる場であり、また同時に、人を深いメランコリーに追いやって、自らの人生のはかなさを痛切に意識させる方向で働いてきた。それは超越性を失った近代人のクリシェであると言いうるが。”