写真家の辰巳唯人さんをお招きし、写真と地理学についてのレクチャーを開催いたします。
自然科学に端を発する写真術と、人文科学・社会科学・自然科学にまたがる総合的な学問である地理学。前者は「光を描く」を意味する「フォトグラフィー(photography)」の、後者は「大地を描く」を意味する「ジオグラフィー(geography)」の訳語であり、このふたつはその語源ひとつとってみても重要な共通点を指摘することが可能です。写真は、それが撮影された場所についての情報を必然的に含む地理的表象であり、その発明の初期から地理学の発展に寄与してきた歴史があります。
一方、表現としての写真に目を向けてみると、美術の歴史的な文脈においては、主に1970年代中葉のニュー・トポグラフィクスの潮流以降、写真というメディウム、とりわけそれが生み出す場所・空間・風景についての表象を考察するにあたって、地理学的な語彙やメタファーを用いることが珍しくなくなってきています。
写真と地理学はどのように接点を持つのか? そして表現としての写真にとって、この両者の関係はどのような展開可能性をもつのか? 今回のレクチャーでは、写真(表現)を通した世界と表象の結びつきを地理学の観点から研究してきた辰巳さんが、このような問題系をたどるとともに、今日における写真実践とその課題について語ります。
[日時]2017年9月24日(日)19:00〜21:00
[講師]辰巳唯人(写真家・国立歴史民俗博物館非常勤職員)
[会場]TAP Gallery http://tapgallery.jp/ 〒135-0022 東京都江東区三好3-2-8
[地図]http://tapgallery.jp/map.html
[参加費] 300円
[定員]15名(予約制)
[予約方法]参加をご希望される方は、メールの件名を「TAP Gallery Lecture Series #004|辰巳唯人」とし、お名前/メールアドレス/ご予約人数を明記したメールを fknb291@gmail.com までお送りください。返信の空メールが届いたらご予約完了となります。担当:福居伸宏(TAP Gallery運営メンバー・291 workshop主宰)*1
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辰巳唯人
1980年生まれ。2004年京都大学総合人間学部卒業、2006年同大学大学院人間・環境学研究科修士課程卒業。2013年東京芸術大学博士課程(先端芸術表現領域)卒業。地理学、建築哲学、映画論などを学んだのち、修士課程では地理学の立場から明治大正期の郊外風景と写真の関係を実証的に研究。博士課程では写真と地理学の関係を主に理論的な側面から考察。並行して写真作品の制作も行い、ニコンサロン(2005年、2014年)などで発表。私立高校講師等を経て、現在国立歴史民俗博物館非常勤職員。
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◇ 辰巳唯人「写真における地理的メタファー : 交通空間から世界と表象の関係を再考する試み」 - 東京藝術大学リポジトリ
http://j.mp/2y7gyM4
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◇ 「浪華写真倶楽部」の月例野外撮影会開催地についての考察 : 2009-03|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I10291399-00
◇ 歴史系総合誌「歴博」第158号|バックナンバー|歴史系総合誌「歴博」|刊行物|歴博とは|国立歴史民俗博物館
[コラム] 昭和初期における京成電鉄の写真コンテスト / 辰巳 唯人
https://www.rekihaku.ac.jp/outline/publication/rekihaku/158/index.html
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◎ Tadahito TATSUMI
http://www.tatsumitadahito.com/
◇ 辰巳唯人写真展「Inside/Outside」 - デジカメ Watch Watch
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/exhibition/673515.html
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