Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

速水健朗さんのはてな「【B面】犬にかぶらせろ!」より

ポジティブ教について - 【B面】犬にかぶらせろ!

y_arim氏の言うとおりで(web色紙は笑った)、スピリチュアルというか、ニューエイジの基本概念である、「自分にはまだ導き出されていない能力がある」「自分が変われば世界は変わる」「今の自分とは違う本当の自分がどこかにある」というメンタリティが自己啓発の根底にはある。

この両者が同根というのは、オカルト・精神世界本と自己啓発本しか売れないという出版界の状況がそれを証明しているとも言える。

 

実は今僕が書いている本というのは、まさにこういったポジティブ教自己啓発がどのようなメカニズムで流行しているのかを考察したものです。

本全体のテーマは別にネット論ではないけど、上のURLに見られるような自己啓発だけでなく、GTDライフハック梅田望夫といったネット社会を覆うポジティブ教がどのようなメカニズムで動員されているのかみたいなことを種明かしします。

本が出るのは来月で、まだAmazonなどには登録されてませんが、とりあえず話題に乗っておきました。

http://d.hatena.ne.jp/gotanda6/20080114/positive


◇『男おいどん』は捨てた方がいい - 【B面】犬にかぶらせろ!

これは松本零士の半自伝的作品だろうから、最終的に努力して漫画家になるのだろうと思って読み進める間は救いはあった。だけど最後まで読むと、救いはなかった。主人公は最後、黙って下宿から消えてしまうだけなのだ。

まだこのおいどんが、夢に向かって努力を積み重ねる話であれば、救いはあった。しかし、おいどんは常に“九州男児の誇り”が邪魔をして、仕事も勉強も長続きしない。そして、まったく努力はせずに“いつかでっかい男に”などと自己だけは肥大させ、次第に何もできなくなっていき、どんどん周囲から取り残されていき、さらに焦りを募らせる。

とてつもなくヤバイ感じがした。

頑張って報われた話にはもちろん、頑張ったけど報われなかった話にも救いはある。でも、頑張らずに報われない話に救いはないよね。

ひたすら痛くて、正視に耐えなかった。

http://d.hatena.ne.jp/gotanda6/20080111/otoko


速水健朗『タイアップの歌謡史』
http://www.amazon.co.jp/dp/4862481043
http://www.hayamiz.jp/2007/02/post_3a07.html