Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

洋販が倒産

洋販ブックサービスブックオフと出版業界 - 新文化 - 出版業界紙 - 社長室

 その約4時間後の午前9時すぎ、洋販が自己破産申請、洋販ブックサービス民事再生手続き開始を東京地裁に申し立てた。洋販は洋書の取次会社、洋販ブックサービス青山ブックセンター流水書房を運営する書店である。

 今回、噂は少し前から私の耳に届いていたが、書店では7月末がXデーとするとして当月に返品しても入帳されず、そのまま債権者となり損をする可能性が高かったことから、傍観する以外に手がなかった。これまでの出版社倒産であれば、時限爆弾を人に投げるように返品していたが、それができないジレンマをもって今日を迎えた。

 それにしてもNECリースはなぜ早朝5時にファックスをしたのか。10時には自己破産を申請するのに、それまでの数時間に書店が同社に支払いをすると思ったのか。まだどこも営業していない未明にファックスを流さなくてはいけなかったのは、取立て委任解除の事実を公にしておく必要があったからなのだろうか。

 さらにブックオフコーポレーション(以下、ブックオフ)が、書店を運営する洋販ブックサービスのスポンサーとして支援を検討する旨が発表されたのには驚愕した。

http://www.shinbunka.co.jp/henshucho/hen082.htm


新文化 出版業界紙
日本洋書販売が破産手続き開始の申立て、洋販ブックサービスブックオフ支援で民事再生
・【続報】日本洋書販売
http://www.shinbunka.co.jp/


◇ 洋販倒産、青山BCはブックオフの支援で民事再生へ - ウラゲツ☆ブログ

青山BCは2004年に運営母体の株式会社ボードが破綻。引き継いだ洋販ブックサービスも今回破綻。次の担い手がブックオフだったとして、どこまで支えられるのか、どこまで現状維持できるのか、未知数です。

ちなみに洋販は国内の洋書取次最大手で、傘下書店にランダムウォークがあります。洋販が倒産となれば、ランダムウォークも閉店ということになるのかなと思います。いっぽう青山BCと流水書房は当面、営業継続。青山BCは来月に、毎年恒例の「ブックフェス」を開催予定です。

洋販および洋販ブックサービスは、ともに「インターカルチュラルグループ(ICG)」傘下。今回の事案により、実質的にICGは解体となるのでしょうか。洋販の不調は業界にここ最近知れ渡っていましたが、残念でなりません。

http://urag.exblog.jp/7355069/


◇ 海外書籍・雑誌輸入販売 日本洋書販売株式会社 自己破産を申請 負債65億円 - 大型倒産速報 | 帝国データバンク[TDB]
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2715.html


日本洋書販売(株) - 東京商工リサーチ:倒産情報(速報)詳細
http://www.tsr-net.co.jp/new/sokuho/1178793_717.html


◇ 洋書は洋販 - 日本で最大の洋書取扱い会社
http://www.yohan.co.jp/
現在サイトがダウンしているようです。


青山ブックセンター倒産!〜出版業界おわりのはじまり〜 - カトラー:katolerのマーケティング言論

効率重視にシフトした取り次ぎ各社

この場合、問題の元凶になっているのは、トーハン、日販に代表される取り次ぎである。売れる商品を効率的に配本することが、彼らの唯一といってもいい経営理念になってしまった。雑誌やコミックが売れて、余裕があったときは、良い本なら面倒みましょうと擁護者として機能したのだが、長引く出版不況で背に腹は代えられなくなり、その経営姿勢は効率主義の方向に大きくシフトしてしまった。
今年の決算発表で、トーハン、日販は両社とも売上減にもかかわらず、増益を確保したことは案外知られていない。このことが意味するのは、両社がいよいよ本格的に売れ筋商品の絞り込みを始めたということである。効率の悪い商品は排除する・・・問屋商売として当然のことをやっているまでということになるだろう。しかし、同じような書店ばかりが並ぶ現在の日本の出版市場において、こうした効率主義に基づくオペレーションが展開されることは、そのまま日本の書店全体、出版市場全体のコンビニ化が進行することを意味する。青山ブックセンター的書店は切り捨てられ、個性の強い出版社は売り場を失っていく。行き着く先は、佐野眞一氏が指摘する「出版の死」である。

http://katoler.cocolog-nifty.com/marketing/2004/07/post_7.html