Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

「Haptic - 触覚 ヴィック・ムニーズキュレーションによる日本・ブラジルアーティスト」展@TWS本郷

開催中〜2009年1月19日(月・祝)
エフライン・アルメイダ レダ・カトゥンダ 窪田美樹 宮永愛子 長井朋子 エリカ・ヴェルズッティ

「作品にはお手を触れないでください」――掲示が警告する。そもそもなぜ人は作品にさわろうとするのだろうか? 作品にじかに触れるのは、ある簡単なことを理解するためである。視覚情報はときに作品の履歴を伝えることができない。作品の歴史に自らの手の痕跡を加えることができない。

「触れることは信じること(百触は一見にしかず)」――これこそがイメージを、素材の段階、彫刻としての形態、すなわち人間工学的経験へと回帰させるものだ。制作過程がそうした触覚的(haptic)な体験で満たされているとき、作品に残る作者の手のエネルギーは、見る者の手を絶えずいざなうかのようである。思わず触れたいと感じさせる作品は、通例また、触れることについての思索をも促す。これが彫刻や平面上の再現的な絵画を十全に理解するための前提となる。

精神と物質を統合する経験としての感覚を大切にする文化においては、芸術作品の制作と鑑賞の過程における触覚的側面は、ごく自明なものだ。自明のあまり顧みられないことすらある。本展は、感覚を重視する二つの異なる文化を背景にもつ、6名のアーティストの作品に焦点を当てる。技法的には手仕事との結びつきが強く、発想に関しては伝統からの霊感を緩やかに受けている作品である。
(ヴィック・ムニーズ)

http://www.tokyo-ws.org/hongo/index.html