Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

マル激トーク・オン・ディマンド 第407回(2009年01月24日)「無法地帯化する霞ヶ関 」

ゲスト:高橋洋一氏(東洋大学教授)
司会:神保哲夫(ビデオジャーナリスト) 宮台真司社会学者)

 先々週の国会では、麻生首相は、既に発効している法律を実質的に書き換えるような政令閣議決定したことを野党から厳しく追及され、答えに詰まる場面が、繰り返しテレビで放送された。安部政権下での国家公務員法の改正で、省庁による官僚の再就職の斡旋、すなわち天下りが実質的に禁止され、経過措置として3年間は新設される再就職等監視委員会が承認した場合に限り、天下りが認められることになっていた。しかし、ねじれ国会でこの再就職等監視委員会の人事が進まないのをいいことに、麻生政権はその間首相に天下りを承認する権限を与える政令を作ってしまった。国会で成立した法律の本則に反する行為を、法律よりも下位にある政令で可能にしてしまうというのだ。これは明らかに法律違反であり、「霞ヶ関のクーデター」(仙谷由人衆議院議員)と批判されてもしかたがないほどの暴挙だった。
 安倍政権で公務員制度改革を設計した東洋大学高橋洋一教授は、これを官僚による露骨な天下り禁止法案の切り崩しと説明する。何とか天下りを続けたい官僚たちが、なりふり構わぬ既得権益の防衛に乗り出した結果だというのだ。
 しかし、官僚の権謀術数を知り尽くしている高橋氏は、「このような露骨なやり方は考えられない」と、官僚が利権維持のために法律違反まで犯すようになったことを嘆く。同じく安倍内閣行政改革担当大臣として公務員制度改革を断行した渡辺喜美衆議院議員も、この政令の撤回を麻生首相に求めたが受け入れられなかったために、自民党を離党している。

<今週のニュース・コメンタリー>
オバマ大統領が政令第一号に署名
・消費税増税をめぐる国会論戦
渡辺喜美氏らが政策集団を立ち上げ
・裁判への被害者参加の意味

http://www.videonews.com/on-demand/0401410/000827.php
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※過去の「マル激」関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%a5%de%a5%eb%b7%e3