ナイジェル・スリフトはこう論じる。十九世紀以来、速度・光・動力が近代の感情構造の重要な側面となってきたが、今や、それらはお互いの中に畳み込まれつつある、と。移動の迅速さは、旅行に、それ自体価値のあるものという新たな意味を与え、グリーティングカードのような物品の流通も可能にした。人工的な光は夜に新たな意味を与えたが、空間内で身体の位置を特定・配列することによって新たなレヴェルの監視も可能にした。動力は、とりわけ電灯のスウィッチを入れるという一瞬の動作の中に、ここ以外のどこかにある存在の証拠を示し、日々の生活を新たなメタファーに変え、そうして、社会が巨大な電力ネットワークに依存していることを見せつけた。二十世紀後半になると、スリフトの見るところ、この三者は『流動性』として癒着・融合した。電子テクノロジーは直接/間接の通信量を大きく増加させ、新型の輸送手段は観光旅行・ビジネス旅行・移民を大幅に増大させた。知覚そのものが自動化され、そうして、光の『機械的複合体』が、観察する人間主体なき視覚をもたらした。
デイヴィッド・ライアン「監視社会」ISBN:4791760085 (青土社)p.36
http://d.hatena.ne.jp/kebabtaro/20040222/p1
id:kebabtaroさんのところにも、この↓文書が引用されていました。
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20060502#p11
>>>「監視」関連
■TSUTAYA、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、CCCコミュニケーションズ、、、など
■「監視社会」の光と陰 - NTT西日本法人営業本部
■テクノロジーは幸福をもたらすか(Tony Long 2005年12月06日)- WIRED VISION
■倉石信乃「監視の現在+ウォーカー・エヴァンズの超越」より+α
■!!!
■監視社会を拒否する会
■監視カメラと表現
■監視カメラの前で全裸で挑発する囚人に警官隊が突撃 - 小太郎ぶろぐ
■寺沢武一『ゴクウ』(MIDNIGHT EYE ゴクウ)
■トランズ・アム『ザ・サヴェイランス』より「アームド・レスポンス」
■メディア・空間・時間・痕跡 - new century new cinema
■「2006-05-02 解読格子を解読しようとした」より ※アマゾンのリンクを修正
■監視映像論8 - はてなStereo Diary
■“パノプティコンは収監者に対する効率的監視のシステムであると同時に、パノプティコン自体を外部からの監視に晒すことでパノプティコンにおける統治者・監視者を規律するところにその要点がある。”
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20080824#p6
◇ 監視社会:世界中で加速──デイヴィッド・ライアン教授に聞く 2004年9月21日(毎日新聞)
http://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/david_lyon.html
◇ 情報社会は監視社会である - DESIGN IT! w/LOVE
http://gitanez.seesaa.net/article/22565554.html
◇ デイヴィッド・ライアン - ちょっとしたお勉強メモ
http://d.hatena.ne.jp/missing_link/20081215/1229294143
◇ デイヴィッド・ライアン『監視社会』(青土社)
http://www.seidosha.co.jp/index.php?%B4%C6%BB%EB%BC%D2%B2%F1
http://www.bk1.jp/product/02251039
http://www.amazon.co.jp/dp/4791760085
結局まだ読んでません。
◇ 9・11以後の監視 〈監視社会〉と〈自由〉 (デイヴィッド・ライアン・他) - 版元ドットコム
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7503-1979-7.html
「監修者あとがき」を読むことができます。