Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

ちょっと前に人に聞いた話

とある総合書店では、篠山紀信さんの写真集は中が見えない黒いレジ袋に、
荒木経惟さんの写真集は通常の半透明のレジ袋にラッピングされるそうです。
さて、この違いはいったい何を意味しているんでしょうか。


美術手帖』2009年4月号のみうらじゅんさんとリリー・フランキーさんの対談、
そして、『広告批評』2009年3月号 No.335の都築響一さんによる記事などとあわせて考えてみると、
篠山さん、荒木さん、それぞれの存在に対する世間のまなざしには、
さまざまな捩れが生じているようで、なかなか興味深い話だと思います。*1

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以下、新潮社『波』1991年2月号関連。*2


◇ 「センチメンタルな旅・冬の旅」論争 - センチメンタルな旅 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%81%AA%E6%97%85#.E3.80.8C.E3.82.BB.E3.83.B3.E3.83.81.E3.83.A1.E3.83.B3.E3.82.BF.E3.83.AB.E3.81.AA.E6.97.85.E3.83.BB.E5.86.AC.E3.81.AE.E6.97.85.E3.80.8D.E8.AB.96.E4.BA.89


荒木経惟 - 愛しのジャック&ベテイ

論争は「波」という雑誌で行われましたが、亡くなった陽子さんのデスマスクが読者にとって何を意味するかと言う事が論点でした。それを篠山は「お涙ちょうだい」と言い荒木は「物語の流れとして必要だった」主張していました。デスマスクをとるのは荒木にとっては母親も父親も撮ってますので驚くには当たりませんがそういう風に写真を一つの私小説として読ませる荒木に対して篠山は事実は事実でしかないと写真のあり方を展開しています。

http://www.asahi-net.or.jp/~XX8M-ARK/arakinomuyosi.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~XX8M-ARK/


荒木経惟氏の写真について考察〜その2〜 - 菌類の悪意
http://d.hatena.ne.jp/Okamoto_Makuzu/20080711/1215798304


◇ H Vol.36 - ヒロミックスが好き

近所の古本屋DRAMAで買いました。古本なのに定価の490円よりお高い800円でした。表紙は荒木経惟
特集:アラーキーズ・チルドレン
荒木・篠山論争以来の衝撃?!
荒木経惟の「ポートレートはこう撮れ!」 という事で、
アラーキーの撮ったHiromixのモノクロポートレイトが載ってます。
アラーキーに関する10の質問 のページでは他の若手写真家
ホンマタカシ、笠井爾示、佐内正史長島有里枝野村佐紀子らと共に
Hiromixアラーキーについて語っちゃってます。

http://hiromixer.blog74.fc2.com/blog-entry-13.html


◇ H2000 - 雑誌バックナンバー販売 art-blue/美術手帖スタジオボイス

2000.10 No.036
H 200010-036 アラーキーズ・チルドレン
荒木・篠山論争以来の衝撃?!荒木経惟の「ポートレートはこう撮れ!」

http://www.art-blue.jp/h/2000/h2000.htm
http://www.art-blue.jp/

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>>>清水穣『白と黒で──写真と……』(現代思潮新社)より その2
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20080522#p2


>>>清水穣『白と黒で──写真と……』(現代思潮新社)より その1
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20080521#p3

*1:篠山紀信さんが特集された『美術手帖』『広告批評』、どちらも、明日花キララさん、原紗央莉さんというモデルが登場する以外は、
  すべて男性による文章で占められているのも、考えてみると気になる現象だと思います。

*2:たしか、『美術手帖』2009年4月号斎藤環さんによる篠山紀信に、この件についての言及があったと思います。
  【追記】言及があったのは、椹木野衣さんによる篠山紀信論でした。