Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

註釈 - 死後の写真:「Secure the Shadow Ere the Substance Fade(影をとどめよ、その身が消え果てるまえに)」 甲斐義明

8) Batchen, Forget Me Not, 75. パースの記号論と写真の「インデックス性」については、以下の討議(特に前半)を参照。 James Elkins, et al, "The Art Seminar," in Elkins ed, Photography Theory (Routledge, 2007), 130-203. とは言え「インデックス性」が写真をめぐる議論において重要なものでありつづけているという事実は軽視できない。その現状を踏まえ、アン・マコーリーとウォルター・ベン・マイケルスのふたりは、この討議を受けて書かれた論文の中で、「インデックス性」の定義とは何かということよりもむしろ、なぜ「インデックス性」という概念が特権的に議論の中心になってきたのか、誰が何のためにその概念を必要と(あるいはその逆に、不要と)してきたのか、というその政治的な背景について考察している。(Anne McCauley, "The Trouble with Photography," and Walter Benn Michaels, "Photographs and Fossils," 404-430, 431-450 in Ibid.)なお、美術史の文脈で「インデックス性」に注目した最初のひとりである、ロサリンド・クラウスにとって、その概念はまず何よりも、クレメント・グリーンバーグ的な「自律性(autonomy)」の反対語として重要であったことは、覚えおく必要がある。以下を参照、Rosalind E. Krauss, "Note on the Index: Part I, II," in The Originality of the Avant-Garde and Other Modernist Myths (Cambridge, Massachusetts: The MIT Press, 1996)[邦訳は『オリジナリティーと反復』小西信之訳、リブロポート、1994年], 196-219.

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>>>おさらい・再読・メモ
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20080704#p19


>>>倉石信乃「インデックス雑感」より
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20080304#p4